関野吉晴対談集―グレートジャーニー1993~2007 の感想

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参照データ

タイトル関野吉晴対談集―グレートジャーニー1993~2007
発売日販売日未定
製作者関野 吉晴
販売元東海教育研究所
JANコード9784486031949
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 論文集・講演集・対談集

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アマゾンのジャングルに浮かぶ先住民ヤノマミの円形大家屋(21家族、107人が暮らしている)の上空からの写真(25頁)は実に美しいが、実は、自然から見れば寄生虫である。現代人はその伝でいうなら癌若しくはウィルスである。
アンデスの農耕は、文明を発生させた。支配・被支配も。
アマゾンで必要な数字は三迄である。それ以上は必要としないからである。アンデスでは、何千であり全ては必要から生まれる。

科学は、かなり特殊な「知」である。西洋で生まれて拡がったがその知を取り入れない場所は地球上に沢山ある。南米の先住民もそうである。ただ、かなりの普遍性を持っているかもしれない。科学は、未だモデルで示すことができる世界しか見えて来ない。現実の世界は未だ見えていない。モデル化出来ない「環境問題」等はお手上げである。

野生では、動物も植物も競争はない。(棲み分け)この非競争の論理=アニミズムの世界は共生と循環の世界である。アマゾンの先住民は獲物を分配する。
農耕・牧畜革命による「競争」の最先端に恐らくキリスト教やイスラム教が誕生した。未来という観念も。執着の観念も。
これに対し、狩猟採集民は、「いま、ここ」に生き楽しむ。足るを知る。生きがいも目的も無縁である。(まるで、禅だ)
二択でなく、表裏一体である。(余談であるがモンゴル語には家畜を「殺す」という言葉がないそうである)

20世紀初頭アメリカもソ連も先住民の文化を徹底的に弾圧した。1980年代に文化を取り戻そうとする運動が始まったがもう残っていなかった。一度失ったものを取り戻すのは難しい。

民族の移動は、弱い人が追われる。より良い場所を探してそこが住み良かったとすると、そこから動かない。そうすると人が増えて、弱い人が追い出される。今度は別なところから「あ、いい土地があるぞ」って入ってくる。そうやって弱い人が追い出されていく。その突出しが続く。そうやって自分の住処をなんとか見つけて生きてきた。

個人によるグレートジャーニーという壮大なスケールの旅についての対談集で自然、人間、文明、文化とは何かについてワクワクする洞察が語られている。

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