空海「般若心経秘鍵」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) の感想

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タイトル空海「般若心経秘鍵」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)
発売日2013-09-19
製作者空海
販売元KADOKAWA
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カテゴリジャンル別 » ノンフィクション » 思想・社会 » 思想

購入者の感想

 本書『般若心経秘鍵』は空海が遷化する前年に執筆されたと伝えられ、空海最晩年の思想を知る貴重な資料です。編者の加藤精一氏(真言宗豊山派前管長)は、空海の著作をできるたけ正確な現代語に訳し、一般の人多くにその概略を理解できるようにすることを目的に一連の編著を行いました。本書はその第3冊目に当たります。『般若心経秘鍵』の現代語訳・解説だけでなく、解説後半部分は空海の人柄の紹介に当てるなど、目的とするところに邁進された編著であると思いました。

 『般若心経秘鍵』は般若心経を密教の立場から解釈した著作です。般若経系の経典の解釈ということになると、大乗仏教はどのように発生したのかとか、般若経系の経典における「空」の理解の大転換とは何かといったことが必ず問題になり、現代的な解釈となると大乗非仏説との関係が問われます。しかし密教はある意味そういう議論を突き抜けたところにありますから、独自の立場を貫いており、却ってそんなことが問題になりません。敢えていえば、歴史的ブッダの思想との関係の議論とは離れて、これは最初から密教の思想家空海の思想そのものと考えてよいと思われます。一方空海が般若心経を解説するに当たって、文献的な検討やサンスクリット語による検討などを丁寧に書き込んでいるのは現代の著述にも通じるもので1200年前の著作とはとても思えない発想だと感じ入りました。上記に大乗非仏説などと書きましたが、どうもこの著作を読んでいると空海はそんなこととっくの昔に承知していたのではないかと、これはわたしの空想に過ぎませんが、凄味を感じました。

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