TN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション) の感想

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タイトルTN君の伝記 (福音館文庫 ノンフィクション)
発売日販売日未定
製作者なだ いなだ
販売元福音館書店
JANコード9784834018844
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

ルソーの思想を学んだ中江兆民がどんな考えをもったのか
中江兆民からみた明治維新が学校の歴史で習う明治維新とは全く印象が違い、とても面白い。
上手く言葉にできないが、教科書では触れない歴史の芯を表現しているように感じた。
日本がどうにかして変わらなければいけないのは誰もが思っていることだが、具体的にどうすればいいのかはわからない、とりあえず誰か一人(吉田東洋など)を悪だと断じ暗殺するという当時の描写は、失われた20年を経験した日本がどうにかして変わらなければいけないのは誰もが思っていることだが、具体的にはどうすればいいのかわからない、とりあえず現政権を悪だと断じる現代とかぶっているように感じた。
暗記ではない本当にためになる日本史と言える。

ただ、明治維新について、著者はは独裁的な政府=悪vs名もなき民衆や中江兆民ら民主主義=正義で語っている。中江兆民よりの視点で書かれた文章なので仕方ないが、非常に一面的なモノの見方であるため、民主主義とリーダー至上主義(独裁主義は悪いイメージの言葉なので中立的な言い方に変えてみた自分独自の言葉)にはそれぞれ長所・短所があり、状況(流動的か安定的か)によってどちらが最適か決まると理解している人が読むべきだと思う。

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