万葉集から古代を読みとく (ちくま新書1254) の感想

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参照データ

タイトル万葉集から古代を読みとく (ちくま新書1254)
発売日販売日未定
製作者上野 誠
販売元筑摩書房
JANコード9784480069627
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 万葉集

購入者の感想

この本は映画「君の名は。」で始まります。と言っても佐田啓二と岸恵子が数寄屋橋で出会う話ではありません。高校生の男女の心が入れ替わるアニメです。この本には「宮水三葉と立花瀧の肉体と魂が・・・入れ替わってしまう」(005ページ)と書いてありますが、入れ替わるのは心だけです。身体は元の場所に残されたまます。もしも両方が入れ替わるなら、心と身体の両方が相手が居た場所に移動するだけです。この程度の不正確さは文学系の人の文章にしばしば見られるので減点の対象ではありません。

著者は「大恩人」から「まがりなりにも当代を代表する万葉学者のひとりなのだから」(003-004)と映画を観ることを勧められたそうです。わざわざこんなことを書きますかね。著者の講演を聴きに行った人が「自慢好き」と言っていたのを思い出しました。

そのアニメに次の万葉集の歌が関係しているそうです。

誰そ彼と 我をな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つ我を(巻十の二二四〇)

上の句の「誰そ彼と我をな問ひそ」を著者は三通りに訳しています。
1、「誰なのかあの人はなどと、私に聞かないでおくれ。」(005)
2、「そんな私のことを薄情にも誰ですかなんて聞かないでおくれよ」(005)
3、「「誰そ彼?」こそ「君の名は?」なのだ。」(005)

これは旧暦の九月の晩秋の日没以降に夜露に濡れながら男を待つ女の歌です。1は第三者が女に質問しています。すると「誰そ」は男です。2は誰が誰に質問しているのかはっきりしません。男が第三者にか。第三者が男にか。第三者同士か。しかしいずれの場合も「誰そ」は女です。3の「彼」を著者は二人称としています。つまり男か第三者かが女に質問しています。なぜこんな矛盾する訳になったんでしょう。図書館に行って万葉集の注釈書を調べてきました。

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