テスタメント/私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~(完全生産限定盤) の感想
参照データ
タイトル | テスタメント/私の愛する音楽~ハイドンからプロコフィエフへ~(完全生産限定盤) |
発売日 | 2019-02-27 |
アーティスト | ヴァレリー・アファナシエフ |
販売元 | SMJ |
JANコード | 4547366379891 |
Disc 1 : | ピアノ・ソナタ 第20番 ハ短調 Hob.XVI:20 I.Moderato ピアノ・ソナタ 第20番 ハ短調 Hob.XVI:20 II.Andante con moto ピアノ・ソナタ 第20番 ハ短調 Hob.XVI:20 III.Finale.Allegro ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ長調 Hob.XVI:23 I.Allegro ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ長調 Hob.XVI:23 II.Adagio ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ長調 Hob.XVI:23 III.Finale.Presto ピアノ・ソナタ 第44番 ト短調 Hob.XVI:44 I.Moderato ピアノ・ソナタ 第44番 ト短調 Hob.XVI:44 II.Allegretto |
Disc 2 : | ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7 I.Allegro molto e con brio ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7 II.Largo,con gran espressione ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7 III.Allegro ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7 IV.Rondo.Poco allegretto e grazioso ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 作品31の1 I.Allegro vivace ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 作品31の1 II.Adagio grazioso ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 作品31の1 III.Rondo.Allegretto ピアノ・ソナタ 第19番 ト短調 作品49の1 I.Andante ピアノ・ソナタ 第19番 ト短調 作品49の1 II.Rondo.Allegro |
カテゴリ | ミュージック » ジャンル別 » クラシック » 室内楽・器楽曲 |
購入者の感想
『後世に自分の解釈を残したい』という思いから、製作されたアファナシエフ のこの『遺作』というアルバムだが、タイトルの暗いイメージとは逆に、彼のアルバムの中でも非常にエネルギッシュな演奏だと感じた。これは嬉しい誤算だった。
確かに、どの曲も彼らしい遅いテンポで綴られているが、そこには一つ一つに作品に対する情熱が感じられる。そして、作品の持つ魅力や美しさが十二分に引き出されているのだ。それも彼のやり方で。このような演奏を録音で聴けるとは思ってもいなかった。
私は、アファナシエフ のCDをいくつか持っているし、実際に演奏会にも行った事もあるが、録音と生の印象は全く違った形で感じられる。特にそれを強く感じたのが、2016/10/29の浜離宮にて行われたモーツァルトの演奏とCDを聴き比べた時だった。この演奏会でのモーツァルトは、単に美しいだけでなく、アファナシエフと言う人間の温かさを感じさせる演奏で、この音楽が永遠に続いてくれれば良いのにと思えるほどの演奏だった。この感覚を追体験したくてモーツァルトのアルバムを買ってみたが、確かに非常に美しく素晴らしい演奏ではあるものの、どこか孤独で静的な印象を感じずにはいられなかった(その分曲に対するアプローチが明確に表現されていると思う)。
彼の死後は(あまり考えたくないけれど)、生演奏で感じられたような、綴られる音楽から溢れ出る人間アファナシエフの魅力を記憶の中でしか再現することはできないのか、と悲しい気分になったものだが、今回のアルバムで、生の時と同じ感覚を体験する事ができたのだ。
今回のアルバムでは、6つのDISCに、8人の作曲家の演奏が収録、CDにしろ生にしろ、どの曲も今まで彼の演奏を一度も聞いたことのないものばかりで、聴き応えもある。例えば、モスクワでの録音がされた事があるドビュッシーの『月の光』なのだが、本アルバムの『月の光』は、驚くほど愛らしく奏でられている。また、この曲の魅力たる美しさ、光陰、静けさをここまで引き出した演奏は今までお目にかかった事がない。演奏時間は7分と、通常の演奏(大体5分)と比べればとんでもない長さだが、この演奏の前には、この長さに必然性すら感じてしまう。
確かに、どの曲も彼らしい遅いテンポで綴られているが、そこには一つ一つに作品に対する情熱が感じられる。そして、作品の持つ魅力や美しさが十二分に引き出されているのだ。それも彼のやり方で。このような演奏を録音で聴けるとは思ってもいなかった。
私は、アファナシエフ のCDをいくつか持っているし、実際に演奏会にも行った事もあるが、録音と生の印象は全く違った形で感じられる。特にそれを強く感じたのが、2016/10/29の浜離宮にて行われたモーツァルトの演奏とCDを聴き比べた時だった。この演奏会でのモーツァルトは、単に美しいだけでなく、アファナシエフと言う人間の温かさを感じさせる演奏で、この音楽が永遠に続いてくれれば良いのにと思えるほどの演奏だった。この感覚を追体験したくてモーツァルトのアルバムを買ってみたが、確かに非常に美しく素晴らしい演奏ではあるものの、どこか孤独で静的な印象を感じずにはいられなかった(その分曲に対するアプローチが明確に表現されていると思う)。
彼の死後は(あまり考えたくないけれど)、生演奏で感じられたような、綴られる音楽から溢れ出る人間アファナシエフの魅力を記憶の中でしか再現することはできないのか、と悲しい気分になったものだが、今回のアルバムで、生の時と同じ感覚を体験する事ができたのだ。
今回のアルバムでは、6つのDISCに、8人の作曲家の演奏が収録、CDにしろ生にしろ、どの曲も今まで彼の演奏を一度も聞いたことのないものばかりで、聴き応えもある。例えば、モスクワでの録音がされた事があるドビュッシーの『月の光』なのだが、本アルバムの『月の光』は、驚くほど愛らしく奏でられている。また、この曲の魅力たる美しさ、光陰、静けさをここまで引き出した演奏は今までお目にかかった事がない。演奏時間は7分と、通常の演奏(大体5分)と比べればとんでもない長さだが、この演奏の前には、この長さに必然性すら感じてしまう。