茶箱広重 (小学館文庫) の感想
参照データ
タイトル | 茶箱広重 (小学館文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 一ノ関 圭 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784091924629 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
現在、一ノ関圭の漫画はたった3冊しか存在しない。処女作をふくめた「らんぷの下」、これ、そして二十数年ぶりに出版された「鼻紙写楽」。ふつう、漫画家は生活のために編集にせかされて駄作であろうと多産する存在だとみられている。しかし、一ノ関圭には描きたいときに描くという自由があったのだろう。経済的に自立していて、描かなくても生活できる環境におられたのかもしれない。ほんとうの事情はしるよしもないが、一つ一つの作品が締め切りに追われることなく、ゆっくりと時間をかけて熟成されているとはいえるだろう。年代物のモルトウイスキーにも似ている。読者は珠玉の一滴である作品に心おきなく酔うだけなのだ。