8月のソーダ水 の感想

一枚の大きなイラストをじっくり眺めたみたいな気持ちになる漫画です。さらっと読めるけど印象的に残る。
オールカラーの作品で、青を基調としたカラーで統一されています。1話毎にテーマカラーが変わる作品はあっても、全編で統一されているのは珍しい。水色、スカイブルー、エメラルドグリーンに、差し色の黄色や少しくすんだ赤が気持ち良いです。
お話や登場人物に毒っ気がなくて、でも皆んながわざとらしく善人なわけでもなくて、そのバランスにほっとできます。疲れるくらいに感情移入してしまうような作品も好きだけど、こういう作品があるのは嬉しい。

たむらしげる、井上直久、ますむらひろし、坂田靖子などの、ストーリーがあるようでないような、一つの情景をただ描くみたいな、なんていうかわからないけどそういう系譜の漫画です。