ワシントンの中のアジア - グローバル政治都市における攻防 の感想

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タイトルワシントンの中のアジア - グローバル政治都市における攻防
発売日販売日未定
製作者ケント・カルダー 著
販売元中央公論新社
JANコード9784120046360
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

「米議会にはこれまで日本関連の議員連盟が存在しなかった(最近ようやく発足)。中国、韓国、インド、インドネシアでさえ議連はあった。日本には現役職員が設立した公式の日米研究会もない。国際交流基金も経団連も、韓国と違ってワシントンには駐在事務所すら持たない。ドイツや台湾と違って、日本のどの政党もワシントンに事務所を持っていない」「著しく対照的に、韓国はワシントンの社会・政治的活動において、ますます積極的になっている」。

ああ、こういうことだったんだな、と思った。近年、アジアの一部の国が日本の国益に関係するようなことにおいてもアメリカを外交の舞台として活発に動いていることをうかがわせるニュースを目にするようになってきたが、その手法や背景が本書を通して少し見えてくる。著者は旭日中綬章を授与された知日派の米国人で、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院ライシャワー東アジア研究センター所長。

グローバル政治都市は「政策ハブ」「外交政策ハブ」「戦略的情報複合体」の3つの機能があるという。特に現代のワシントンは、ホワイトハウスと議会と政府機関があるというだけでなく、IMFや世界銀行などの国際機関があり、外交評議会などのNGO、大学、シンクタンク、コンサルタント会社なども次々集まって拡大した複合体になっている。そのため、かつての議会とKストリートと呼ばれた通りで成り立っていた了解や妥協は陳腐化し、イメージや情報やPRや専門性の高い民間部門の知識や技能が力を増している。また、このような構造は米国の外交政策の意思決定にも影響を与え、それらを通じて特に近年はアジア各国からの働きかけが強まっているという。本書に紹介されている日米貿易摩擦のときに日本が雇っていたロビイストの数には驚かされたが、近年はロビー活動だけでなく、エリート同士のコネクションや元留学者の人脈、メディアへの関与、特恵を与え後押しされたシンクタンクが書くレポート、自国出身系の米国人ネットワークの育成と活動援助など多彩な活動が行われる場になっている。

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中央公論新社から発売されたケント・カルダー 著のワシントンの中のアジア - グローバル政治都市における攻防(JAN:9784120046360)の感想と評価
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