グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育 (中公新書ラクレ) の感想

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タイトルグローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育 (中公新書ラクレ)
発売日2015-04-10
製作者苅谷剛彦
販売元中央公論新社
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カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

本書は、著者がオックスフォード大学で教鞭をとられ始めた2008年以降
に、『中央公論』や『週刊東洋経済』などの雑誌や新聞で発表した文章
を編集し、一冊の新書としてまとめたものである。

東京大学で10数年間勤められ、アメリカの大学へ留学し、そこで短期間
授業もされ、そして現在はオックスフォード大学に勤務される著者。日本
の大学を、世界の大学と比較しながら、経験的にも理論的にも議論でき
る日本でも数少ない方のお一人と言ってもいいだろう。

本書の主たるポイントは、以下の3つといっていいだろう。まず、オッ
クスフォード大学に見る、イギリスの大学の特徴の紹介である。カレッジ、
チュートリアルなど、伝統的に守られている、アメリカの大学とはまた
異なる特徴である。そして2点目として、イギリスの財政状況と大学の
学費問題がまとめられている。社会の変化に伴って高等教育への就学率
の向上を目指した施策が与えた影響について書かれている。そして最後
の点として、オックスフォード大学に勤務されて改めて感じた、日本の
大学教育の課題である。就職、大学経営、社会構造の変化、学生や企業
の意識など、様々な要素が入り組んで形作られている現在の日本の大学
教育については、「コップの中の競争」と手厳しく批判している。

著者は、決して日本の大学がイギリスの大学と比べて、一方的に良いと
か悪いとかを述べているわけではない。両方の大学に勤務したご経験か
ら、その違いを浮き彫りにして、優秀な教員と学生の獲得競争が世界的
に繰り広げられている現実と学問を追及する姿勢をオックスフォード大
学でを目にした場合、日本の大学教育は「コップの中の競争」をしている
だけと述べているのである。

本書では述べられていなかったが、日本の大学の国際競争力を高めるた
めには、まず、その関係者が世界の大学の現実を知ることが先であろう。
その意味で、本書は、イギリスの大学の現実を垣間見せてくれるという

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