ベルカ、吠えないのか? (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルベルカ、吠えないのか? (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者古川 日出男
販売元文藝春秋
JANコード9784167717728
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

"与圧服を着用した雄犬と、雌犬が。宙から地球を見下ろして、ふたたび地上に帰った。イヌ族の生誕した大地に。それは二頭のイヌだった。それぞれの名前は、雄犬がベルカで、雌犬がストレルカだった。"20世紀を軍用犬という視点で切り込んで紹介した意欲作の本書は、その熱量が素晴らしい‬。

個人的には猫好きなのですが。そう言えば【犬が活躍する本】あまり読んでないな。と前情報なしに本書を気軽に手にとったわけですが、よくある人と犬の【心温まる交流話】なんかでは全然なく、本書が旧日本軍に残された四頭を始祖としたスケールの大きな20世紀サバイバル叙事詩である事にびっくりしました。そして、イヌ(たち)が執筆中の著者にまるで憑いていたかの様に、各時代の人間たちの都合に振り回されつつも、それぞれの犬生?を【漢として全うしていく姿】が凄みのある独特な文体で描かれていて印象に残りました。

軍用犬の視点から20世紀を振り返りたい誰かに。また可愛らしい犬が好きな愛犬家。。というよりは【犬好きな誰か】にはオススメ。

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