アダルト・チャイルドが自分と向きあう本 の感想

人間関係の難しさ、社会での生きづらさを感じ、どうにか治したいと調べるうちに自身のアダルトチャイルドを疑いました。
自分がアダルトチャイルドだと認めることが嫌で購入を少し躊躇ったのですが、読み終えて思ったことは、数ある専門書の中からこの本と出会えて良かったという思いです。

どうして誰かと対立することに怖さを感じるのか。
嫌なことを断れないのか。
自分の気持ちを抑圧するのか。
自分の意見を表現できないのか。
自分より他者の気持ちを優先してしまうのか。
自分を犠牲にするのか。
孤独を感じるのか。
辛い時でも平気なふりをして笑うのか。

その答えは全て小さい頃の自分の過去にありました。
本自体は余白が多く、心に響くような小さい子どもに語りかけてくれるような優しい文章で書かれているので読みやすいです。
ワークは、過去のことをふりかえる作業が主になります。長い間心の底に封じ込めた、怒り、悲しみがあふれだしました。
泣いて泣いて、怒りながら書いて、自分自身をなだめながら泣いて。
もう疲れたから泣くのをやめたいのに、なかなか泣きやむことができず、自分の内側にこれだけたまっていたものがあったのだと初めて知りました。
途中で感情が混乱し収集がつかなくなることもあるので、このワークを始める時は時間的に余裕がある時をオススメします。

過去を分析し、当時感じた本当の気持ちを探ること。見つけて癒すこと。無意識下で形成された思考は自覚しづらく、その作業はとても大変で疲れる作業でした。でもこれから先を生きていくためにとても大切な時間でした。

本が終盤に差し掛かった今は随分気持ちに余裕が生まれ、自分は自分でいていい、ありのままでいい、と感じています。
そして、原因が分かれば必ず治るものだと希望をもっています。
同じ悩みを持つ方へ、おすすめしたい1冊です。