工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 (講談社+α新書) の感想

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タイトル工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史 (講談社+α新書)
発売日販売日未定
製作者倉山 満
販売元講談社
JANコード9784062915090
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

著者は『聖人君子として扱われることが多い西郷の、あまり語られることのない側面を描いた』ということだが、幕末から明治初年にかけて、西郷だけに関わらず、様々な人間模様を含めて、いろいろな視点で描いてくれたと思う。
幕末や明治維新というのは、これまで断片的な情報やドラマ的な情報でしか理解しておらず、かなり昔のことのように思っていたが、現代にもつながる人間模様というか、政治状況があったことを整理できた。
結局、幕末最大の争点は「開国か、攘夷か」だが、「日本を外国の植民地にさせない為には何をすべきか」という本来の政治問題に対して、「誰が権力を握るか」で、すったもんだにもめた期間がやたらと長く、その権力闘争の結果、明治の時代になったということだと思う。
ややこしくした元凶は、慶喜だろう。
『慶喜は徹底した現状主義者です。今、目の前の問題を切り抜けることにかけては天才的な曲芸師ですが、グルグルと皿をただ回しているだけで、一歩も前に進みません。その現状が続けばどうなるか。おそらく慶喜中心の政治が続けば、間違いなく日本は外国の植民地になったでしょう。』と著者も書いている。
それに、とんがった長州が加わるから非常にややこしくなる。
そんな状況で、大久保は慶喜に対抗できる勢力を作っていく。
『大久保も、政治に如何なる幻想も持ち込まない現実主義者です。だからこそ、慶喜中心の政治という現状を打破しなければ未来はない。いかに困難でもやり抜くしかない、そのためには如何なる手段も使う。それが大久保のリアリズムでした。』と著者は書いている。
大政奉還で慶喜があっと言わせ、王政復古の大号令で薩長が巻き返したものの、慶喜の大阪城での外国公使への政権担当宣言できっちり押し返される流れは、まさに一進一退の権力争い。しかし、『それを撥ね返したのは大久保の意思であり、それを支えた西郷です。』

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