ミステリマガジン700 【海外篇】 (ハヤカワ・ミステリ文庫) の感想

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タイトルミステリマガジン700 【海外篇】 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
発売日販売日未定
販売元早川書房
JANコード9784151803017
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

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収録作品
「決定的なひとひねり」A・H・Z・カー
「アリバイさがし」シャーロット・アームストロング
「終列車」フレドリック・ブラウン
「憎悪の殺人」パトリシア・ハイスミス
「マニング氏の金のなる木」ロバート・アーサー
「二十五年目のクラス会」エドワード・D・ホック
「拝啓、編集長様」クリスチアナ・ブランド
「すばらしき誘拐」ボアロー、ナルスジャック
「名探偵ガリレオ」シオドア・マシスン
「子守り」ルース・レンデル
「リノで途中下車」ジャック・フィニイ
「肝臓色の猫はいりませんか」ジェラルド・カーシュ
「十号船室の問題」ピーターラヴゼイ
「ソフト・スポット」イアン・ランキン
「犬のゲーム」レジナルド・ヒル
「フルーツセラー」ジョイス・キャロル・オーツ

ミステリマガジンには恩がある。
ミステリにしか興味の無かった子供に、豊潤な幻想と怪奇の世界や「ニューヨーカー」の洗練された短編、シニカルな大人のユーモアを教えてくれた恩恵は感謝してもしきれない。
本書はその多彩な魅力と歴史を濃縮した嘘偽り無き傑作アンソロジー。収録作全てが邦訳短編集未収録というのも価値が高い。

冒頭のA・H・Z・カーは軽妙さの中に人間の本性を暴いて完璧な作品、ことに結末の余韻は永遠に忘れがたい。
心暖まるアームストロング、不可能犯罪物で知られるロバート・アーサーのウエルメイドなクライムストーリー、青春の苦い回顧に満ちたホック、ギャンブラーの心理をサスペンス豊かに描き、人生の断片を切り取ったようなフィニイの哀歓、流石の手練れぶりのラヴゼイ(作中人物としてジャック・フットレルが登場する)、ランキン、ヒル(パスコー警部物)といった巨匠が短編でも見せる傑出した力量。
本当に充実したセレクトだが、中でも屈指の傑作はラストの「フルーツセラー」。それまで信じて来た安逸な人生が崩壊する瞬間を描き慄然とさせる掛け値なしの名品だ。

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