ブリングリング [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトルブリングリング [Blu-ray]
発売日2014-07-02
監督ソフィア・コッポラ
出演エマ・ワトソン
販売元ポニーキャニオン
JANコード4988013677869
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ

購入者の感想

エマ・ワトソンとかほろ苦い青春グラフティーを期待する向きは、見ない方がいいだろう。
クズのような若者とろくでもない大人たちを、描くべくして描いているのだから、
視聴後に、胸糞悪いと悪態をつくのはお門違いというものである。

垂れ流される自由に酔いしれる若者(大人もか…)は、間違いなく日本でも増加中である。
彼の国とは程度が違うとはいえ、同じ方向を向いているのは間違いない。

舞台設定は、持てる者が浅ましいほどの財を蓄積する豪邸である。
先日の報道(2014年時点)では、米国の富裕層0.1%が、ついに下層90%の富を抜いたとのことだが、
これほど凄まじい格差社会の中で、富裕層の被る害に単純な同情を寄せることは難しい。
無論盗みが悪事であることは争いはないが、
かくも不道徳な若者を大量生産する格差社会を放置、固守しているのは、当の富裕層だからだ。

加害者である少年少女は、富裕層に対する思想的敵意は微塵もなく、
むしろ憧れているのだから皮肉なものである。
彼らは、法で裁きを受けてもほとんど改悛の情を見せない。
所詮、法が喚起しうる道徳心などは、底が浅いのである。

素敵な外面と薄っぺらな人間性という点で、加害者と被害者は驚くほど親近性を持つ。
真の加害者は誰か?という点で見ると、なかなか風刺の効いた作品だと思う。

現代の若モンらしい軽いノリの大罪、軽いノリの深き心の闇を、渇いた視点で克明に描いている

セレブんちで「もらって」きてクラブでアガる、ブリッとキマるみたいな話だし一見楽しめそうな内容なんだけど、歯止めが効かない子供らしい大暴走に観てる側はドン引く。という形での問題提起、ドキュメンタリータッチだと思った

グロい描写ゼロだがエグい。実際子供の闇ってこういうもの。ソフィアのフェミニンでポップでたまらなくセンチメンタルな感じが好きなんだけど、今作でも大暴走をしずかに叙情的に描いてきた。由緒正しきカンヌのオープニング作品であり「ある視点部門」?かなんかでもあるし、somewhereでのベネチアグランプリも経て巨匠ぽくなったかなと思った。自身も母親だし、警鐘という形での若い世代へのソフィアなりの愛情かもってのは勘ぐりか。ラストシーンの性懲りもないカメラ目線はウケる、彼女には是非世間騒がすセレブになって欲しい(笑)

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