時計じかけのオレンジ [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトル時計じかけのオレンジ [Blu-ray]
発売日2010-04-21
監督スタンリー・キューブリック
出演マルコム・マクドウェル
販売元ワーナー・ホーム・ビデオ
JANコード4988135806475
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ

購入者の感想

本作は1971年に公開されたスタンリー・キューブリック監督作品。
15歳の不良少年アレックスを演じたマルコム・マクダウェルの公開当時の実年齢は28歳だった。
実際、心身ともに十分に成熟した青年にしか見えないので、
その一点だけ取っても珍奇なコスチューム、更には不良仲間と共に使っている
「ナッドサッド言葉」なる一種のスラングの醸し出す珍妙な雰囲気も相まって、
可笑しさを覚えた。

公開後40年以上が経過した本作品から受ける視覚的な全体の印象は、
単なる古臭さではなく、時間軸を超えたシュールなものだった。
これは、近未来を舞台に設定して製作された事が大きく影響していると思う。

シュールという事でいえば、作品全体で多用されるクラシック音楽の旋律が、
所々で挿入される過激な暴力表現を、夢の中での映像のような、
どこか現実離れしたものに変換しているような印象を受けた。
もっとも、対立する不良グループとの乱闘シーン等で、舞踏めいた身のこなしを演じさせるなど、
必ずしも迫真性を追求しているわけではない演出も関係しているが。

基本的なモチーフが少年の反社会的行為とその治療・更生という硬いテーマであるのにもかかわらず、
先に述べた演出の効果により、観終えた後の気分は奇妙にも不愉快なものではなかったのである。

エンディングのシーンも鮮烈で秀逸なものだった。
「完璧に治ったね!」(I was cured alright.)は、
ここでは「治った」ことが、実は自らの暴力的性向の回復を意味する台詞であったのだ。

本作は、管理社会への痛烈な皮肉を表現しているのと同時に、
人間存在に根源的に付きまとう度し難さを、主人公だけでなく、
多くの登場人物が入れ代わり立ち代わり表現しているように思われる。

軽妙さと重厚感を併せ持つ本作は、
時代を超えて生き残る掛け値なしの傑作である、というのが観終えた後の感想だ。

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