ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り の感想
参照データ
タイトル | ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ニック・ビルトン |
販売元 | 日本経済新聞出版社 |
JANコード | 9784532319335 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » IT » 情報・コンピュータ産業 |
購入者の感想
この本の中で書かれていることが真実なのか、それとも、いままで「そうに違いない」と信じられてきたロックスター、ジャック・ドーシーによる洒落た発明がやはりツイッターの本性なのか。それとも、どちらともまた大きく異なる本当の話がまた別にあるのか。タイトルで暴露本と断じたが、実態がどれなのかはこの本を楽しむうえで重要ではない。だからこそ僕はこの本を、途中からはノンフィクションとしてではなくスキャンダラスなドラマとして読むスタンスに変えた。
重要な登場人物が殺されたりするわけではないので、もちろん100%作り物のストーリーよりは地味だ。しかしその程よい生活感と事件性の乏しい展開が、逆にこの本を、より引き込むものとしているように思えるし、身近にさせてくれている。
一方で随所に登場する数字(金額)はとてつもなく大きい。そして友情出演よろしく随所に主役たちと絡む政治家やIT起業家、ハリウッド俳優やミュージシャンたち… 誰をとっても今のこの世界を牽引しているスーパースターで、ツイッターという非・高学歴エリートがこしらえたプラットフォームがいかに現代にとてつもない影響を与えているかが一応は伝わってくる。
しかしながら、それら以上に一冊通して貫かれているのは、もはや往年の名作ドラマ「フレンズ」のような、いつも同じ小さな舞台セットで撮影され、登場人物は極めて少なく、そんな超こぢんまりとした友達同士のなかで、好きだとか嫌いだとか、嬉しいだとか悲しいだとか、力を合わせるだとか足を引っ張り合うだとか、頑に大掛かりなロケを拒むがごとく、あれもこれもが進んでいく。制御しようとしても不能なほどの急成長とともに。
Facebookを取り上げた「若き天才の野望」やAppleを振り返った「スティーブ・ジョブズ」とこの本を一緒にすると、多少どころか180度違うので注意してほしい。上記の二冊と違って、スケール感もまったくなければヒーロー性もない。だけどささやかな感動はできるししみじみと人間というものの性を思う余白がちゃんとある。そう、ザッカーバーグやジョブズはどこか実在しないような宇宙人さがあるのに、ツイッターを創業した4人からは、自分がその一人でもおかしくないような錯覚や妄想を許してくれる。そんな一冊だ。
重要な登場人物が殺されたりするわけではないので、もちろん100%作り物のストーリーよりは地味だ。しかしその程よい生活感と事件性の乏しい展開が、逆にこの本を、より引き込むものとしているように思えるし、身近にさせてくれている。
一方で随所に登場する数字(金額)はとてつもなく大きい。そして友情出演よろしく随所に主役たちと絡む政治家やIT起業家、ハリウッド俳優やミュージシャンたち… 誰をとっても今のこの世界を牽引しているスーパースターで、ツイッターという非・高学歴エリートがこしらえたプラットフォームがいかに現代にとてつもない影響を与えているかが一応は伝わってくる。
しかしながら、それら以上に一冊通して貫かれているのは、もはや往年の名作ドラマ「フレンズ」のような、いつも同じ小さな舞台セットで撮影され、登場人物は極めて少なく、そんな超こぢんまりとした友達同士のなかで、好きだとか嫌いだとか、嬉しいだとか悲しいだとか、力を合わせるだとか足を引っ張り合うだとか、頑に大掛かりなロケを拒むがごとく、あれもこれもが進んでいく。制御しようとしても不能なほどの急成長とともに。
Facebookを取り上げた「若き天才の野望」やAppleを振り返った「スティーブ・ジョブズ」とこの本を一緒にすると、多少どころか180度違うので注意してほしい。上記の二冊と違って、スケール感もまったくなければヒーロー性もない。だけどささやかな感動はできるししみじみと人間というものの性を思う余白がちゃんとある。そう、ザッカーバーグやジョブズはどこか実在しないような宇宙人さがあるのに、ツイッターを創業した4人からは、自分がその一人でもおかしくないような錯覚や妄想を許してくれる。そんな一冊だ。