梅棹忠夫―「知の探検家」の思想と生涯 (中公新書) の感想

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参照データ

タイトル梅棹忠夫―「知の探検家」の思想と生涯 (中公新書)
発売日販売日未定
製作者山本 紀夫
販売元中央公論新社
JANコード9784121021946
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般

購入者の感想

 著者の山本紀夫さんは、京大農学部を卒業後、国立民俗学博物館に勤務、学生時代から梅棹さんの知遇を得、彼によると最後の弟子だそうです。そんな山本さんが、梅棹さんの研究、著作を通して、彼の功績、目的を明らかにしようと試みています。また、一種の伝記としても読めるかなと思います。
 梅棹忠夫さんは、1920年生まれ、1936年京都一中から三高(旧制)に飛び級で入学、三高時代は山岳部の活動に力を入れすぎ2度落第、その後京都帝大に入学。在学中に大興安麗探検隊に参加、戦後暫くは海外探検が出来なかったので、国内のフィールド・ワークに専念、そして、柳田国男と知り合います。その後、文明の生態史観序説で旧世界を第一地域、第二地域に分類、物議をかもします。また、フィールド・ワークから編み出されたカードによる情報処理法は、知的生産の技術としてまとめられています。
 そして、1957年妻不要論を唱えこれまた物議をかもしますが、論旨を精読すると時代を先取りしていた事がよくわかります。その後、大阪万博の開催に尽力し、1974年国立民族博物館の設立に携わり、初代館長に就任します。開庁式で館員たちに「御先祖様になろう」と檄を飛ばしたのは、有名です。しかし、1986年ウイルス性疾患により突然視力を失います(この経緯は 夜はまだあけぬか に詳しい)。その後もあくなき好奇心、強力な持続力で多くの著作をものにされ、2010年老衰で亡くなられたことはよくご存知だと思います。
 まさに知の巨人、知の探検家というに相応しい一生ですが、山本さんは、そんな梅棹さんの業績、著作を振り返り、彼が何を目指そうとしていてのかを平易に解き明かしています(師匠譲りで文章はとても読みやすいです)。また、梅棹さんの略年譜もついています。ただ、ヴィジュアル面での情報が不足しています。この方面では、考える人2011年8月号が参考になると思います(私もレヴューしています)、ご一読を!!

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