五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る の感想

住宅廃材の処理会社で、なくては困る事業をやっている会社が、ダイオキシン問題で地域社会方疎まれ、新鋭焼却設備の投資をして間もないのに、焼却事業をあきらめ、廃材の分別、再利用の事業に転換し、今や廃材の９５％を分節再利用し、残りの５％を他社に焼却処分を依頼するところまでに仕上げた。売上数十億円の会社が多額の借金を背負った上に、分別向上を完全に包み込む工場を新設し、さらに工場周辺のクヌギ林を整備し、公園に転換し、地域の人々、見学者に開放している状況を作った。この事業を父でもある創業者の思いを受け継ぎながら、娘である石坂典子社長が十数年の中で創り上げた。謙虚な心、前向きな姿勢、そして努力と奉仕、この創業者の思いを引き継ながら、持続成長できる環境事業会社に創造し、さらに海外も見据えた夢を追っている。ただただ驚嘆する会社であるが、経営者が初代から、２代目につなげていくヒューマンな物語であり、そこに絶え間ない工夫で経営者と社員が一体となって知恵と努力をを会社につぎ込んでいるところに感動しました。経営者の役割、責任の重さと面白さの実録ですね。事業承継の課題を持っている経営者にとって示唆に富むところが多く、必読だと思います。