妻は告白する [DVD] の感想
参照データ
タイトル | 妻は告白する [DVD] |
発売日 | 2014-06-27 |
監督 | 増村保造 |
出演 | 若尾文子 |
販売元 | KADOKAWA / 角川書店 |
JANコード | 4988111289636 |
カテゴリ | DVD » ジャンル別 » 日本映画 » ミステリー・サスペンス |
購入者の感想
地味だけどよくできた映画です。この映画には、悪人も犯罪も登場せず、ただ日々の細かいすれ違いや思い込みが平凡な人々を不幸に追いやっていく過程が丁寧に描かれています。そして若尾文子が、珍しくその平凡ではかない女を、いつもの非凡な美貌と演技力で演じています。
構成は、大半が裁判での証言シーンとその回想シーンの繰り返しになっていて(つまり時間が複雑に前後する)、現在では普通ですが、当時としてはかなり複雑な作りだったろうと思います。ところが、脚本やカット割り、カメラ、編集、演出、演技等よくできているので全く破綻していません。ここら辺の技術力も素晴らしいです。
むしろこの映画で「悪人」として描かれているのは、ウソを書き連ねるマスコミであったり、覗き見をする女中であったり、「女は死んで当たり前」と言う警察官だったりしますが、断罪されるわけでもなく、「世間がそうであるのは仕方がない」としてさらりと流されていきます。
また、若尾文子を追い詰めていく条件として、戦争孤児だったとか、妊娠中絶をしていたということが説明されますが、だから許されるとか、だから諦める、という流れではなく、「どんな困難に向き合っても、常に最善をつくす」という増村保造の哲学が地味に貫かれています。
なので、悲しい話のようで後味は悪くありませんよ。一応理解者もいるし。
構成は、大半が裁判での証言シーンとその回想シーンの繰り返しになっていて(つまり時間が複雑に前後する)、現在では普通ですが、当時としてはかなり複雑な作りだったろうと思います。ところが、脚本やカット割り、カメラ、編集、演出、演技等よくできているので全く破綻していません。ここら辺の技術力も素晴らしいです。
むしろこの映画で「悪人」として描かれているのは、ウソを書き連ねるマスコミであったり、覗き見をする女中であったり、「女は死んで当たり前」と言う警察官だったりしますが、断罪されるわけでもなく、「世間がそうであるのは仕方がない」としてさらりと流されていきます。
また、若尾文子を追い詰めていく条件として、戦争孤児だったとか、妊娠中絶をしていたということが説明されますが、だから許されるとか、だから諦める、という流れではなく、「どんな困難に向き合っても、常に最善をつくす」という増村保造の哲学が地味に貫かれています。
なので、悲しい話のようで後味は悪くありませんよ。一応理解者もいるし。