ティンパニストかく語りき の感想

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実際に近藤氏に教えを受けている者です。
なので「えこひいき」が入っていますが……。
オーケストラをやっている人、特に打楽器やティンパニをやっている人にとっては最高の本です。
でも、クラシックに興味のない人にも、青春記、自伝、交友録として面白いと思います。

（以下、ネタバレあります）
ベルリンフィルの首席奏者、オズワルド＝フォーグラー氏の演奏に感銘を受け、会いたい一心で楽屋裏に飛び込んでしまう。
フォーグラー氏が英語が得意でないと知ると、次の来日までドイツ語の勉強を必死に行う。
再会したフォーグラー氏とドイツ語で会話できるようになり、近藤氏の真剣さがフォーグラー氏に通じ、弟子入りを認められ、DAAD給費留学生としてベルリンに……。
戦後の日本のオケでは（おそらく）初めて本格的なドイツスタイルのティンパニ奏者として活躍された氏の青春記。

また幅広い交友関係から特にピックアップした一流オケ（ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレ、NDR）のティンパニ奏者・打楽器奏者との交友録。
さらに小沢征爾、朝比奈隆、山田一雄、カラヤン、チェリビタッケといった指揮者との「真剣勝負」。
その「真剣勝負」から生まれた「ティンパニ奏者の役割」論。

色々な内容の入っている名著です。
ぜひ一読をオススメします。