日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (幻冬舎新書) の感想

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参照データ

タイトル日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (幻冬舎新書)
発売日販売日未定
製作者久坂部 羊
販売元幻冬舎
JANコード9784344980181
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

久坂部氏の著書を読むのは。「廃用身」「破裂」に続いて三冊目です。加齢に伴って発生する病気や障害の多くはきれいさっぱり治るという可能性の少ないものである。そんなことは医師も看護師はもちろん誰よりも本人自身がよくわかっていることなのに、「病院」という場所が病気の治療をするところである限り、治らないという事実を誰も言い出せず、無駄であるどころか有害かもしれない治療の無間地獄から抜け出せないでいる・・

ガン末期の無用で有害な延命治療の悲惨さを訴えた「病院で死ぬということ」というベストセラーがあり、こと末期がんに関しては無用の延命治療を避ける事についての理解は以前に比べれば相当よくなってきているようですが、癌以外の加齢に伴うさまざまな障害や病気についての理解、国民的コンセンサスはまだまだのようです。

健康寿命(十分に活動できる平均年齢)といわゆる平均寿命は一致せず、現在のわが国では7−8年ほどの開きがあるといわれ、この人生最後の7−8年は健康ではない期間、すなわち介護が必要な年数なのです。医療の進歩によって健康寿命が延びて、みんなが元気で天寿をまっとうできればよいのですが、実際は医療によって治りもせずよくもならない、介護の必要なお年寄りだけが増えているというのが現実です。どんなに治癒する可能性が低くても、患者さんが来てしまった以上、病院というところは有害無益かもしれない治療を続けなくてはなりません。この国には「安楽死」を容認する法律はなく、死を容認することは犯罪であり、許されないからです。

著者の主張の真骨頂は第八章にある「病院へ行かないという選択」にあると思います。もちろん個人差はあるし、90歳を超えても病院にかからなくては気がすまないというお年よりもいるかもしれません・・。しかし、あちらこちらを突っつかれ、痛い検査を受けた挙句「やっぱりなおりません」なんて阿呆な説明を聞くために何時間も待って大病院にかかる事ほどくだらないことはないはずです。もういい加減に「健康神話」やら「病院信仰」などから卒業すべきなのです。もちろんこういったことは他人から強制されるようなものではありませんが、多くのお年寄りが病院へ行かないという選択をすれば、悲惨な最期を迎えるお年寄りが少なくなることは事実でしょう。

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幻冬舎から発売された久坂部 羊の日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (幻冬舎新書)(JAN:9784344980181)の感想と評価
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