富裕層のバレない脱税 「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで (NHK出版新書) の感想

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タイトル富裕層のバレない脱税 「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで (NHK出版新書)
発売日2017-09-25
製作者佐藤 弘幸
販売元NHK出版
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筆者は序章で、「床下の隠し金庫に現金を隠す」などという古典的な脱税手口など、もはや過去のものであり、近年になり「バレない脱税」が爆発的な勢いで増殖をしているとし、税金は国家のインフラを支える大切な資金源であるにもかかわらず、日本人の多くがこうした「バレない脱税」が存在することを知らないのならば、元国税局の人間として、みなさんに伝えるべきことがあるのではないだろうかと思ったのが本書を執筆する動機だと語るとともに、この「バレない脱税」を最もうまく行っているのが「富裕層」だとしている。 

筆者はまず第一章で、筆者がいうところの「庶民」の古典的な単純でわかりやすい脱税手口を水商売や飲食店などの「現金商売」、「宗教法人」、「中小企業」を例に、第二章では、本書のメインテーマであるきわめて巧妙かつ周到な「富裕層」の「バレない脱税(租税回避)」を「個人投資家」、「富裕層」、「ループホールVS国税局」に分けて、それぞれ紹介するとともに、それらを見破るための国税当局の対抗策も紹介している。 

特に第二章では、巧妙な脱税(租税回避)手口を図解付きで詳しく解説しているので、私などは、ここまで詳しく解説してしまっていいのだろうかと思ってしまうのだが、筆者にいわせれば、本書で扱ったような「バレない脱税」は、すでにバレている(まだバレていない人は運が良い)のだそうで、筆者は、さらにバレない脱税(新たな租税回避)はきっとどこかで生まれており、プロモーターが策定した租税回避スキームを富裕層が実行し続ける限り、このループは永遠に続くともいっている。 

第三章では、筆者が本当に悪いヤツらは悪事を手助けする彼らなのかもしれないとしている脱税支援ブローカーである「B勘屋」、「国税OB税理士」、「プロモーター」の存在とその手口を白日のもとにさらしている。その中で筆者は、悪事を手助けする元同業者である一部の国税OB税理士を「風上にも置けない悪い輩」と評しているが、全くもって同感だ。いやしくも長年にわたって国民の公僕として脱税を摘発してきた同じその人が、退職後の金儲けのために、自身の足跡を汚すような行為をよく平然とできるものだと思ってしまう。 

ちなみに、脱税糾弾本の近著としては『国税局査察部24時』(上田二郎著

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