【Amazon.co.jp限定】 DINOSAUR (初回限定盤)(Blu-ray付)(B2布ポスター付き) の感想

今年に入ってから使われ始めた「THE ONLY SURVIVING HARD ROCK BAND IN JAPAN」という煽り文句から、所謂「ゴリゴリ」のHRアルバムを想像していた人が多かったんじゃないかと思う。
ただ実際のところは、二人が最も強く影響を受けた70sのポップス…HRに限らず、ファンク、ソウル、歌謡曲に至るまでをB’z流に噛み砕いたようなアルバムだった。思った以上の分かり辛さに、戸惑ったファンは多かったはずだ。

注目したいのは、TAKのギターが前作「EPIC DAY」以降、右肩上がりで絶好調であることだ。
FATチームとの連携も板につき、トーンはより上品かつクラシカルに。プレイも抑えるところでは抑え、出るところでは爆発的に弾きまくる…という、長年試行錯誤していた「大人のプレイ」はここに来てとうとう実を結んだ。
使用機材も近年の中では群を抜いて多彩で、レスポールからFV、更には往年の名器1090にAXIS、アンプもELEVENの頃に使われていた5150が再び引っ張り出され、それだけで松本フリークにしてみれば涙モノだ。

曲の方も、腰を据えて聴けばじわじわと面白味が分かってくる。唐突な転調に急なキメ、最初に聴いたら面食らうような展開も多々あるが、その引っかかりが妙にクセになることも多し。他のアルバムと比較するのは難しいが、確実に好きな一枚になった。
なんだかんだで日本を引っ張るハードロックバンドとしてようやく再評価され始めたB’zだが、このアルバムを聴けばまだまだこれから先も期待できることが分かる。30周年も応援してます。

追記（2017/12/21）
このアルバムに限った話じゃないが、低評価のレビューにちらほら見受けられる
「これを良いと言ってしまう人はB’zなら何でも良いと思ってしまう人、本当のファンなら悪い時には悪いと言うべき」
という書き込み、心の底から余計なお世話だと思ってしまった。
人は十人いれば十通りの嗜好があるもので、勿論このアルバムにも様々な批評が寄せられるべきだ。