原始仏典 (ちくま学芸文庫) の感想

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参照データ

タイトル原始仏典 (ちくま学芸文庫)
発売日販売日未定
製作者中村 元
販売元筑摩書房
JANコード9784480093677
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

日本仏教、とりわけ空海の密教や曼荼羅、親鸞の他力本願、道元の禅などとブッダの教えとの位置関係を調べているうちに中村元氏の書籍と出会いました。スッタニパータ、ダンマパダ、バウッダ、ブッダ伝などとっつきやすそうなところから入っていますが、この書については、平易な語り口であることもありますが第1章では仏教の成立や背景、そして第2章ではブッダの教えをどう自分の人生に落とすかという視点で書かれており、中村氏の広範囲かつ深遠な知識を全体網羅するには良い気がします。ブッダ伝はブッダの人物像をイメージするのによいし、バウッダは原始仏教の成立をより詳細に学術的観点から網羅しているという感じでしょうか。概要を掴むためには同書やブッダ伝、より詳細を掴むためにはバウッダを始め、春秋社のシリーズなどという感じですね。もちろん、スッタニパータ、ダンマパダは釈迦が直接話していたかもしれないほどの貴重な資料ですから外せません。これらのおかげで、自分の触れてきた日本仏教の位置付けも理解でき始めたし、それらとのよき距離感も見えてきました。どうしてもひとつの宗派にのめり込むと、それこそ群盲象を評すで、それぞれの思想を点として理解した感が出てしまいます。しかし、仏教のルーツはあくまで釈尊であり、四諦、八正道、中道の基本骨子があるからこそそれぞれの思想が理解できるのだと思います。そこを見失ってひとつの教派に偏ると、結局のところ、その教派のことも理解できない、禅でいえば野狐禅になるんでしょうね。全体的、多面的、根本的に考察しながら自分なりの生きる指針をよりよい形で確立していきます。

「スッタニパータ」から読み始めて、中村元先生の一連の岩波文庫のブッダ関連の本は読みましたが、内容の理解ということに関してはなかなか難しくて、本書を手に取りました。
本書の内容は「スッタニパータ」「ダンマパダ」等多くの仏典の中からそれぞれ重要な箇所の詳しい説明という体裁を取っています。
当時の社会状況からこれらの教えの成り立ちが、わかりやすく平易な文章で説明されています。

ブッダ最後の旅である「大パリ・ニッパーナ経」の説明では十数ページの短い文章でブッダが自らの人生の終わりを知り、たいへんな思いをしながら故郷に戻ろうとし、そしてその旅の途中で亡くなるまでを描いているのですが、心が温かく満たされるような素晴らしい文章が続きます。

本書を何度か読み返して、それからまた「スッタニパータ」から一連の本を読んでみようと思っています。
それらの仏典の更なる理解が期待できるように思います。
本書によって、実在した歴史的な人物としてのブッダにほんの少しだけ近づけたような気がします。
仏教初心者の僕にとっては宝物のような本です。

補足:他のレビュアーさんの「注意!」という言葉で気がつきました。
このレビューはちくま学芸文庫の「原始仏典」について書いたものですが、単行本の「原始仏典」のレビュー欄にも同じようにこのレビューが掲載されているようです。
著者も題名も全く同じですが、内容は大きく異なります。
このレビューと多分他のお二人の方のレビューもちくま学芸文庫の「原始仏典」のレビューです。
ご注意ください。

よく見ると商品説明も単行本のものですね。
文庫本と単行本の商品説明は関連づけられているようです。
アマゾンさん、間違いに気がついてくれればいいですが。

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