ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫) の感想

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参照データ

タイトルゼロから始める魔法の書 (電撃文庫)
発売日2014-06-28
製作者虎走 かける
販売元KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

先にアニメを見ました。

ライトノベルはあまり詳しくありませんが、この作品では『魔術』と『魔法』が意図的に区分されていることが斬新で、おもしろいと思いました。

理由は、作者の方がどういう着想で設定を思いついたかはわかりませんが、もし舞台のイメージを中世ヨーロッパだとすると、ここでいう魔法はニュートンやデカルト以降の近代『科学』のことではないか、と個人的に思ったからです。

悪魔の力を借りる『魔術』とは、そのまま、ルネサンス以前の時代の感覚で、「森羅万象は悪魔や精霊、神々の力で起きている」と捉える古代の呪術やシャーマニズムの意味であり、
魔術を理論体系化した『魔法』とは、何故そのような現象(魔術の発動)が起こるのかを、もちろん比喩的にですが、科学的・数学的に分析した理論のことだとも取れます。

つまり、古代の人が
「火で魚を焼くと腐らなくなるのは、火の精のお陰だ!」と前近代的(魔術的!)に受け取っていたところを、近代の科学者(脱・魔術的!)が
「そうではなく、それは火の生み出す高温が、細菌を殺したのだ」と発見したのと同じように、

このヒロインは理論的に魔術を分析して
「火を含め、あらゆる魔術は、そもそも、悪魔や精霊とは無関係だったのだ!」
と発見したということです。

だから、魔法書が、世界を滅ぼすことも出来るというのは、科学の出現が近代の戦争のやり方を変えたことと、その知識によって社会が大きく変わるという意味が含まれているのではないでしょうか。

新たな『知』の出現が世の中の仕組みを変える、というのはミシェル・フーコーの【知】と【権力】を統合する『言説』の議論ですが、この作者の方がそこまで考えて書かれているならおもしろいですね。

でも、しばらく前にたまたま観た『ヘボット』という子供アニメが、あからさまにフロイトのファルスや、フーコーのパノプティコン、ラカンの主体の形成、母体回帰などを作中で連発していたので、もしかしたらこの作品もそこまでやるかも。

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