ハイキュー!! 9 (ジャンプコミックス) の感想

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もうかなり前からのことだが、「上に行く人というのはこういう考え方をする」「成功するチームはこういう意識を持っている」といったことが書かれている本ばかりが書店を牛耳っている。紐解けばなるほどと思えることが確かに書かれているし、成功したい人や朝礼の訓示のネタ探しする管理職の人が「参考にするため」購入して行く。
けど、物語って、そういうモンじゃないだろう。誰よりも高く飛ぼうとしている人と一緒にいる時のワクワク感をウンチク本は与えてくれない。ともに考え、応援し、勝利に涙し敗北に涙する「気持ち」をビジネス書に求めても仕方ない。それらを余すことなく読者に与えてくれるのは物語であったはずで、「ハイキュー！」はその極上の一つだと私は確信している。
何か猛烈に生きたい衝動に駆られている人は、読んで背中をドンドン押してもらうといい。仕事仕事で心がガス欠の人も、読めば走り出したくて仕方なくなるはずだ。生きている人たちを競馬場の馬のように眺めて「ああいうのは成功しないよ」などと値踏みしてる場合ではなくなる。自分自身が生きて、動いて、汗を流すその感触か、読めば読むだけ体をムズムズさせて行くのだ。
これが物語。これが少年漫画。「読んだことないけどどんなもんだろ？」という方はまずマン喫での一気読みを勧める。止まらなくなりまっせ！