環境倫理学 の感想
参照データ
タイトル | 環境倫理学 |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 東京大学出版会 |
JANコード | 9784130623117 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 環境問題 |
購入者の感想
●環境問題に貼り付いているさまざまな二項対立図式(人為/自然、開発/保存、など)を批判的に解体し両立的な解決可能性を探る――これが、本書のいう新しい [環境倫理学] である。19人の分担執筆者らの主張は、このスタンスで(気味が悪いほど)切りそろえられている。
●環境倫理学の分析(第’’1部)、実例にもとづく批判(第’2部)、政策への適用可能性(第’’3部)、がバランスよく配置されているので、環境問題をきちんと問い直してみたいと思っている人にはお勧めである。とくに、「環境問題のウソ」とか「できることからエコライフ」といった単純化されたプロパガンダに日頃から胡散臭さを感じていた私はたいへん学ぶところが多かった。
●ところで、本書に一貫して通底する [二項対立を解体し両立を目指す態度] が大事であることは間違っていない。しかし、環境問題という不確実性がとりわけ大きな問題を考えるにあたっては、いつもいつも [二項対立は解消しうる] と身構えているのも楽観的すぎる気がしないでもない。両立策のつもりでやったことが、二項対立のどちらかに結果してしまう可能性が十分あるのが環境問題である。
●環境倫理学の分析(第’’1部)、実例にもとづく批判(第’2部)、政策への適用可能性(第’’3部)、がバランスよく配置されているので、環境問題をきちんと問い直してみたいと思っている人にはお勧めである。とくに、「環境問題のウソ」とか「できることからエコライフ」といった単純化されたプロパガンダに日頃から胡散臭さを感じていた私はたいへん学ぶところが多かった。
●ところで、本書に一貫して通底する [二項対立を解体し両立を目指す態度] が大事であることは間違っていない。しかし、環境問題という不確実性がとりわけ大きな問題を考えるにあたっては、いつもいつも [二項対立は解消しうる] と身構えているのも楽観的すぎる気がしないでもない。両立策のつもりでやったことが、二項対立のどちらかに結果してしまう可能性が十分あるのが環境問題である。