神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者村上 春樹
販売元新潮社
JANコード9784101001500
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

地震を題材にした本作は、これまでの村上作品では表に出てこなかった作者の個人的な想いも見え隠れします。

【1 UFOが釧路に降りる】
小村氏の妻は神戸の地震の画面にくぎ付けになり、まもなく彼の前から姿を消した。
彼女はそこにいったい何を見ていたのだろう?
釧路への旅で彼は自分が今不確かな現実世界に立っていることを実感する。

【2 アイロンのある風景】
順子は焚き火を見ているうちに自身の気持ちが形を成し始めていることを感じる。
「私ってからっぽなんだよ」「いいよ。死んでも」静かな温かみを肌に感じとり、涙がこぼれてきた。
若く未熟で不安定な胸の内を吐露した順子は、三宅さんに見守られながら束の間の眠りにつく。

【3 神の子供たちはみな踊る】
父親の姿を追って義也は深夜の草野球場にたどり着いた。
自分が求めていたものは父親ではなく自分自身の抱える幻想に過ぎなかった。
母親に対する性的な邪念、恋人との無責任な別れ話、田畑さんに対する心残り。
その一つ一つを思い浮かべては赦しを与え、深い暗闇の中に放った。

【4 タイランド】
私たちは自分が何のために生きているのか問い続ける存在だが、さつきはそこに答えが見いだせないために間違った幻想を引きずっている。
「生きることと死ぬることとは、ある意味では等価なのです」とニミットはさつきに説く。
彼女は言葉を捨てて、孤独に向き合う。そして自分と世界を繋ぎとめる夢がやってくることを待っている。

【5 かえるくん、東京を救う】
都市が地震で壊滅するというシナリオは、現代によみがえる黙示録ともいえる。
人々の心を惑わし、世の中に暗い影を落とすものの正体が、かえるくんを中心とした奇妙な生き物たちの滑稽な争いとして描かれる。
そんなドタバタ劇でも、片桐氏の純粋無垢な精神は「アンナ・カレーニナ」や「白夜」といった文学作品に対する憧憬へと昇華され、ほのぼのとした気持ちになった。

【6 蜂蜜パイ】

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