原価計算 の感想

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参照データ

タイトル原価計算
発売日販売日未定
製作者岡本 清
販売元国元書房
JANコード9784765810098
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経理・アカウンティング » 財務管理

購入者の感想

 学生時代に学んだ「原価計算基準」は、1962年(昭和37年)に大蔵省企業会計審議会の中間報告としてリリースされたものだった。当時は、いつ「最終報告」が出るのかいなと思っていたが、半世紀以上も経った今でもいまだに出ていない。審議会委員の能力不足・役不足もあったのかもしれないが、本書はその古臭くなった「基準」を検討しながら、現在の原価計算実務を考えてみる!っていうなかなかに興味深い学習書である。
 
 
 さらにIFRS対応の原価計算はどのようなものになるのかっていうことで本書を選んだけど、確かにIFRSとの関連も書かれているが、この点は少々どころか、相当期待外れだった。あまり深入りしてないし、できなかった。

 1960年代のプロダクト型経済、70年代のソフトサービス型経済、80年代のファイナンス型経済、そして90年代以降現在につながるインタンジブル型経済、と変化する経済基盤に「基準」は必ずしも対応してこなかった。プロダクト型経済の時代はまだよかったが、それ以降はとほほ・・・・・

 各章末についている計算問題はなかなかいい。基本をしっかり押さえている良問が多い。会計士試験の短答式試験対策の総復習にも使えそうだ。原価概念からABC(Activity-Based Costing:活動基準原価計算)まで30年前に学んだ内容とあまり変わっていない気がする・・・・・昔からある原価計算の問題は、PCがここまで普及した現在も健在っていうことか。
 興味深いのは、製造間接費の差異分析の箇所で、アメリカの主要著書、日本の会計士試験予備校(TACと大原)、および著者について、それぞれの解法を比較し、相当詳しく解説していることだ。
 正誤問題は著者オリジナルのようだが、これはこれでなかなかにおかしいモノもある。
 
 本文には、「固変分類」とすべきところを「区変分類」としたり(P-109)、予定配賦率の計算で、40,000千円とすべきところを40,000円とする(P-127)ような、些細なミスがある・・・・・。

原価計算の巨匠岡本清先生の代表的著物。日本の原価計算分野におけるバイブルで、実は大手資格学校のテキストは殆ど本書を引用してつくられている。値段は高いが十分に元を獲れる価値があり、是非とも手元に1冊置いておきたい著物。また内容は懇切丁寧に書かれており、こと複雑な原価計算ではあるが読み易いし、辞書的役割も担える。買って損したと思う人は少ないであろう。

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