きりひと讃歌 (3) (小学館文庫) の感想

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参照データ

タイトルきりひと讃歌 (3) (小学館文庫)
発売日販売日未定
製作者手塚 治虫
販売元小学館
JANコード9784091920034
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

醜悪なエゴで人に苦悩を与える存在であった、医長、台湾の闇の権力者、曲芸師の麗花、主人公桐人の同僚であり幼いころからの友人である医師占部は醜悪なまま、或は良心を取り戻したり、良心による呵責に苦しみながらその役割を終えます。

そして桐人とイスラエルの修道女だったヘレンは身体が犬に変形する奇病モンモウ病を抱えながらも従来からの人としての良心に加えて悟りの境地とも言える精神的な強さを身につけ、それぞれの新しい人生を歩み始める中、最後に桐人にはいずみという希望が、ヘレンには新たな生命という希望がその苦難の道に光明を照らしてくれます。

人間とは存在悪として戦争を行ったり、自身のエゴの為に他人を苦しめる醜悪な存在であることを手塚さんは自身の戦争体験等を通して深く知悉しがら、それでもやはり桐人(きりひと=キリスト)やヘレンが持つ人間の良心や愛を信じて希望という形でこの壮大な物語を終えられたのだと思います。多くの人に読んで頂きたい優れた古典文学にも匹敵する作品です。

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