ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる の感想

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参照データ

タイトルビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる
発売日販売日未定
製作者ジム・コリンズ
販売元日経BP社
JANコード9784822249236
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経営学・キャリア・MBA » アメリカMBA・名物教授

購入者の感想

ビジョナリーカンパニーシリーズは企業研究の教科書であると同時に研究者だけのものではなく、ビジネス・パーソンにとっても多くの示唆に富んでいます。今回2万2000社のデータ分析にから7社のエクセレント企業を選んで成功の法則を解き明かしています。その選定プロセスは巻末の調査概要から検証することが可能であり、さらに議論を深めていく足掛かりにもなります。

毎回選定された偉大になった企業は我々のビジネスの参考になりますが、今回の選定ではマイクロソフトに敗れ、失敗例として比較対象企業になったアップルのように、調査対象期間後見事に復活した事例があり、この点も興味深く読むことができました。たとえつまずいたとしてもその後の経営によりV字成長をすることが可能であることが示されています。むしろ成功事例として挙げられているマイクロソフトのほうが今後の不安材料が多い点から、企業の環境や経営状態の変化がいかに速く先の見えないものかがうかがわれます。また、インテルの比較対象企業となったAMDについても企業規模からみれば確かにインテルとの競争に敗れたという得るものの、ゴリアテに対するアンチテーゼとしての存在価値を保っており、興味深く読むことができました。このように失敗した企業がどのようにして復活を果たしたかを自分で調べるのも本書の活かし方のひとつかもしれません。

これだけ評価されて調査方法も明らかにされているにもかかわらず日本で追試として同じ方法を用いた検証が行われないのは不思議に感じます。ぜひ日本の研究者に日本企業を対象とした研究をしてもらえたらと思います。

もはやビジョナリーカンパニーシリーズは「経営書」というよりも本質を紐解く「哲学書」の領域に入っている印象を受ける。そしてそれが厳密な比較分析により帰納法的にファクトから導き出されたという「科学性」を担保しているのだから素晴らしい。

特に今回の著作は、「不確実かつ不安定な環境下で偉大さを実現した企業の特徴」ということをテーマにしている。まさに今の(そして恐らく今後さらにその程度が増す)世界や日本のおかれた環境下での行動指針が示されている。14年ほど前のまだ頭の柔らかい学生時代にビジョナリーカンパニー1を読んだ時に自分の人生にインパクトを与える程の大きな衝撃を受けたが、今回の著作にはその時並み、いやそれ以上の衝撃を受けた感覚がある。1の時と同じように、おそらく今後の数十年にわたり人生の座右の書になるだろう。

ただしもしこのシリーズの原則を本気で現実に適用しようと思うなら、その前に「私(我々)は本当に偉大になることを切望しているのか?」という問いにマネジメントチームは答える必要があるだろう。そしてその次に「この偉大さを特徴づける行動パターンをどう徹底し続けるか?」という問いにはいるべきだと思う。生半可な導入ではまさに「絵に描いた餅」になるだろう。自戒の念も込め、そう思います。

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