夢を売る男 の感想

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参照データ

タイトル夢を売る男
発売日販売日未定
製作者百田 尚樹
販売元太田出版
JANコード9784778313531
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » は行の著者

購入者の感想

この内容の書籍が幻冬舎から出版されている事自体、ネット上の『殉愛』騒動と合わせて暗澹たる心境にならざるを得ない。
この文庫のプロモーションが終われば、百田尚樹は幻冬舎からのハシゴを外された状態となる。その後の『殉愛』騒動の行方を見守りたい。

出版社に勤める男が、「ジョイントプレス」という、出版費の半分を作家に負担させるという手法で、若干詐欺という自覚を持ちつつ、小説を出したいという顕示欲だけで実力の伴わない様々な素人作家相手に、巧み(?)な営業トークで話を持ちかけ、出版まで持ち込むという話。
しかしこのあからさまなゴマすりトークに騙されるとはねw
(牛河原はきっと騙される人間を見つけるのが上手いんだろうとしておく)

つまり、騙しているけど相手にも夢を与えているんだよ、という、実に陳腐な詐欺師独特の正当化。
だが牛河原があまり悪党に見えないのは、話を持ちかけられる作家志望者が、そろいもそろって顕示欲丸出しの排他的な人間ばかりだからだろうか。
この当たりはコントで面白かった。

だがスラスラと読めた反面、セリフが実に雑だと感じた。

あと気になったのは、生前に売れないような作家が死後に売れるわけがない、という主人公の発言。
少なくとも出版社で文芸を担当していたなら「宮沢賢治」くらい知ってるんじゃないかな。

後半の、現在の出版業界や小説家を批判する場面だが、著者の思いがストレートに出すぎていて、これは業界では”恥ずかしい”とされ、もっとも素人作家に多いやつね。ここでそれをやってる百田氏。だからこそ、作中の主人公にも、ダメ出しされるのであろうw
だがこの問題は、大塚英志の「不良債権としての『文学』」で笙野頼子と散々バトルされてきた内容であり、今更という気もした。
小説、こと文学系はたしかに極小的に見れば赤字部門だが、大手出版社の長期的な利益を考えれば存在意義はある、で、何があかんの?ってことで結論は出ている。

はい、でも面白いよ。詐欺の注意喚起として読んでください。

一人騙して200万円。経費実費が50万円として、粗利が150万円。
自社ビル構えて社員も数十人はいると思われる出版社としては、
十億程度の粗利が必要。さすれば、年間六百人はカモが必要。
相当大掛かりなすごい騙しシステムでも構築しない限り不可能だ。
娯楽フィクションなのだから細かいことを詮索するのは野暮かもしれないが、
小なりといえど、商売をしている者としては突っ込みたくもなる。

荒木「どういう意味ですか」
牛河原「知るかよ」

いやーーー、、、最高でした(*’▽`*)
熱心にblogやAmazonレビューを書いてる人たちは必見でしょう。
もう牛河原の台詞ひとつひとつがビシバシ心に響いてきます…(笑)
自費出版もそうですが、その他全ての「夢を食い物にするビジネス」に引っかからないためにも、
読んでおいた方が良いですね。
どんな業界でも、華々しく大成功するのはほんの一握りの人間だけ。
不景気だからこそ夢を見たい時代、ドラマ化してほしいくらい気に入ってます!

****

「はじめまして。丸栄出版の牛河原と申します。実はこの度「AmazonのTOPレビュアー」の中で、作家の才能を持つ人間を秘密裏に
探しておりまして、あなた様の実に的確で著者の欠点を鋭くえぐるような素晴しいレビュー…いや、書評に辿り着きました。
無料であのような場に書かせておくには実に惜しい人材だ!!と私、
数十年の編集人生の直感が働いた次第です。つきましては…」

…な〜んてメールが来たら、皆さん注意しましょうネ〜!!!( *’艸`)=30

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