夢は荒れ地を (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトル夢は荒れ地を (集英社文庫)
発売日2014-02-27
製作者船戸与一
販売元集英社
JANコード登録されていません
カテゴリ文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 直木賞 » 101-125回

購入者の感想

まず登場人物たちが煙草を口に咥え様とするとその描写が全部克明に記される。

句読点があっても改行せずびっしり分厚い本になったのはそのせいである。
禁煙中に読むととてもつらい。

それはさておき、自分は映画キリングフィールドでクメールルージュの理屈なき恐ろしさを知ったのでこの小説に興味を持ったのだがこれはどちらかというとクメールルージュ側に立った視点も多くクメールルージュが未だに生息してる地域の方がむしろ悪として描かれてる国家側からの隠れ蓑、オアシスともとれるスタンスで捉えられている。

登場人物たちは皆一本筋の通った好漢達なのだが読み始めはそれぞれにやたら話が飛ぶので少々混乱した。
それがエンディングに向けて皆、会して行く訳だが。

男臭い中に唯一ヒロインと呼べるのはノアちゃんという少女。
多分美形の筈なのだがそれについては明確な描写が無く、でも物語上は絶対美少女だったのだろうな、とこちらが推測せざるを得ない。
彼女を含め多くの登場人物たちがもうちょい気を利かせたらそんな事にはならずに済んだのに。
という顛末はちょっと強引さを感じた。

でも地名、人名、覚え辛い固有名詞が続々出てくるのだがそれは特に気にせず本の分厚さにギブアップする事なく読めた。

映画化にしたらやっすいB級アクションになってしまいそうな妄想を抱きながら、以上!

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