音楽という<真実> の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル音楽という<真実>
発売日販売日未定
製作者新垣 隆
販売元小学館
JANコード9784093884211
カテゴリ »  » ジャンル別

購入者の感想

いやあ・・・まず佐村河内守と新垣隆が出会った偶然が凄いですね。私は占いとかスピリチュアルとか信じませんが、さすがにこれは運命的なものを感じます。一般に音楽をやる人は自己主張が強いイメージですが、彼の場合は髪型とかファッションではなく”ツンボ”ですよ。身体障害をネタに音楽を売ろうってロクでもない男と「この曲はオレが作ったことにしてくれ」といういかがわしい注文を受けてしまう困った作曲家の出会いがなければ、このドラマは生まれなかったわけです。まあ新垣氏はこの出会いが無くてもやはり音楽家ですが、佐村河内氏は今頃水素水の営業でもしていたんでしょうか。

この本を読まれる方の目的の多くが”ことの真相”だと思われます。本書には一噌幸弘さんの演奏する能管のデモテープの中に普通に会話する佐村河内氏の肉声が残っているとあるから、共作の主張はともかくツンボの設定はもうどうにもならないんですね。それはともかく本書は読み物として非常に面白いです。筆者が音楽の道を志すきっかけになった少年時代の出会い、出来事から始まり、ヴィジュアル系ベートーヴェン(佐村河内)との出会いへ非常にうまくつながっています。直接的な表現はありませんが、学生時代の出来事に多くの紙面を割いているのは音楽を志す者の努力や苦労を描写することで間接的に音楽の知識ゼロで大作曲家を気取る佐村河内氏の軽薄さを皮肉っているとも読み取れます。

そんなわけでゴーストライター騒動での疑問はこの本を読むことですべて納得できました。一部マスコミが面白おかしく佐村河内氏を過剰に貶める報道をしたのも事実ですが、本書では佐村河内氏が自身で作成したデモテープにも触れられているし、シンセサイザーを使用した打ち込みで簡単な曲を作る能力があることも認めています。ただそれでも、新垣氏の視点だとやはり佐村河内氏のピアノを「弾ける」レベルと評価することは出来ないし、作曲家だなんて論外と思います。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

音楽という<真実>

アマゾンで購入する
小学館から発売された新垣 隆の音楽という&lt;真実&gt;(JAN:9784093884211)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.