エンジェルズ・フライト〈上〉 (扶桑社ミステリー) の感想

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参照データ

タイトルエンジェルズ・フライト〈上〉 (扶桑社ミステリー)
発売日販売日未定
製作者マイクル コナリー
販売元扶桑社
JANコード9784594050962
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

1999年発表の本作品は、ハリー・ボッシュ刑事シリーズの第6作目です。

冒頭は、夜中の2時にボッシュ刑事の自宅にかかってきた電話のシーンから。
それは、殺人事件の発生を知らせるものであった。
現場は、ケーブルカー<エンジェルズ・フライト>の頂上駅で、黒人弁護士が射殺死体で発見されていた。
この弁護士は、犯罪を犯した者の依頼で、ロス市警を相手取った民事訴訟を数多く手掛けていた人物で、犯罪者にとっては「天使」だが、警察にとっては「悪魔」と恐れられていた人物であった。
警官が犯人かも知れない難しい事件について、アーヴィング副本部長は、ボッシュ刑事に特命で捜査するよう指示したのだった…。

もともと「孤高」の刑事という、ハードボイルドな趣向で書かれてきたシリーズですが、前作での復職後、2名も部下を従えるようになり、上司のグレイス・ビッツ警部補とも関係は良好のようで、「孤高」のイメージは薄まってきているように思われます。
1作目からの「宿敵」とでも言えるアーヴィング副本部長にしても、「人権問題」を孕む困難な事件で、失敗すればボッシュ刑事を捨て駒にするかもしれない、という設定とは言え、それだけ難しい事件を任せるのですから、ボッシュ刑事は有能だということを認めたようなもの。
「孤高」の刑事は、いつの間にか、「組織」内で活躍する優秀な刑事になっている。
それは、第4作までで、過去のトラウマとなっている事件を解決してきていて、精神的に解放されているからなのかも知れません。

もっとも、路線が変わったとは言え、面白さは相変わらずで、これまでの諸作でもそうなのですが、物語の半ば、下巻に差し掛かる当たりから、思いもしない展開になって、読むスピードが加速してしまいます。
つくづく作者の綿密な構成の罠に嵌っていることを感じさせる、良質なミステリになっていると思いました。

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