ラスト・コヨーテ〈上〉 (扶桑社ミステリー) の感想
参照データ
タイトル | ラスト・コヨーテ〈上〉 (扶桑社ミステリー) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | マイクル コナリー |
販売元 | 扶桑社 |
JANコード | 9784594020002 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学 |
購入者の感想
1995年発表の本作品は、「ハリー・ボッシュ刑事」シリーズの第4作目にあたります。
冒頭のシーンは、カウンセリング。上司とあるトラブルを起こしてしまったボッシュ刑事は、「ストレスによる強制休職(ISL)」処分となり、カーメン・イノーホス医師の定期的な面談を受けることに。
心の闇を探られるうちに、ボッシュ刑事は、トラウマとなっている事件を単独で探ることを決意します。
それは、娼婦であった母、マージョリー・ロウが1961年に11歳の彼を遺して殺された、未解決の事件だった…。
殺害された母親のことは、第1作から語られてきていることなので、いよいよその謎が取り上げられるのか、という思いを強く抱く作品です。
作品の設定の1994年より33年前の事件ですが、警察の倉庫には当時の調書や証拠が保存されていた、というのは、「殺人罪に時効なし」の国、アメリカならではの設定といえます。
日本でも、本年(2010年)、殺人罪の時効が撤廃されたことから、近い将来こうした過去の事件を洗い直す設定のミステリが書かれることになるかもしれません。
このシリーズが読者を魅了しているのは、何といっても「予想外の展開」が待ち受けていることですが、本作品でも下巻に入ってからの展開は、全く考えてもいなかったものでした。
ただし、この衝撃度は、第1作から読み続けてきた読者ではないと味わえないものなのです。その内容は、もちろんここでは触れませんが、言えるのは、第1作から読んでこその作品だということであります。
そして、「驚きの真相」もこのシリーズならではのものでした。
ここまで工夫された作品を書き続けることができる作者の力量は、並みのものではないと言えましょう。
ちなみに、題名の「ラスト・コヨーテ」にも第1作から描写されてきた事柄が活きています。
ハードボイルドらしさを感じさせる、深みのあるタイトルだと思いました。
冒頭のシーンは、カウンセリング。上司とあるトラブルを起こしてしまったボッシュ刑事は、「ストレスによる強制休職(ISL)」処分となり、カーメン・イノーホス医師の定期的な面談を受けることに。
心の闇を探られるうちに、ボッシュ刑事は、トラウマとなっている事件を単独で探ることを決意します。
それは、娼婦であった母、マージョリー・ロウが1961年に11歳の彼を遺して殺された、未解決の事件だった…。
殺害された母親のことは、第1作から語られてきていることなので、いよいよその謎が取り上げられるのか、という思いを強く抱く作品です。
作品の設定の1994年より33年前の事件ですが、警察の倉庫には当時の調書や証拠が保存されていた、というのは、「殺人罪に時効なし」の国、アメリカならではの設定といえます。
日本でも、本年(2010年)、殺人罪の時効が撤廃されたことから、近い将来こうした過去の事件を洗い直す設定のミステリが書かれることになるかもしれません。
このシリーズが読者を魅了しているのは、何といっても「予想外の展開」が待ち受けていることですが、本作品でも下巻に入ってからの展開は、全く考えてもいなかったものでした。
ただし、この衝撃度は、第1作から読み続けてきた読者ではないと味わえないものなのです。その内容は、もちろんここでは触れませんが、言えるのは、第1作から読んでこその作品だということであります。
そして、「驚きの真相」もこのシリーズならではのものでした。
ここまで工夫された作品を書き続けることができる作者の力量は、並みのものではないと言えましょう。
ちなみに、題名の「ラスト・コヨーテ」にも第1作から描写されてきた事柄が活きています。
ハードボイルドらしさを感じさせる、深みのあるタイトルだと思いました。