文庫 若い読者のための第三のチンパンジー (草思社文庫) の感想

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参照データ

タイトル文庫 若い読者のための第三のチンパンジー (草思社文庫)
発売日販売日未定
製作者ジャレド ダイアモンド
販売元草思社
JANコード9784794222800
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学

購入者の感想

本書は、ジャレド・ダイアモンド博士が1991年に発表した処女作『人間はどこまでチンパンジーか』をベースに、その後の作品である『人間の性はなぜに奇妙に進化したのか』、『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』の内容を加え再編集したもの。

博士は、1997年に刊行し翌年ピューリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)を受賞した『銃・病原菌・鉄』の著者として有名。

書名冒頭の「若い読者のための」というのは、アメリカのセブンストーリーズ・プレス社のシリーズ名であり、必ずしも若い読者だけを対象にしている内容ではないが、本書を読むことで博士の全てを知ることができるという意味では、大作ばかりのジャレド・ダイアモンド入門書として若者に適した一冊とも言える。

博士は、鳥類学、進化生物学、生物地理学、人類生態学、古環境学、古病理学、言語学に関する幅広い視点から、本書のテーマである「人間とはどんな動物か」について語る。

「本を書き始めるときに最終的にたどりつく先を知らない」と「ほぼ日刊イトイ新聞」での糸井重里氏との対談の中で自らが語るように、書きながら、語りながら視点を変えてテーマを追う。

「第2章 大躍進」では、火を恒常的に使い、遺体を埋葬する習慣すら持つネアンデルタール人が、クロマニヨン人の大躍進により絶滅した要因について、ネアンデルタール人は新たにものを生み出す力「革新性」が備わっていなかったからと説明する。

「第6章 言葉の不思議」では、6万年前のクロマニヨン人の大躍進の原動力となったであろう「言葉」の発生について、ベルベットモンキーの研究事例、ニューギニアやハワイでの新しい言語発生の事例研究をもとに考察する。

「第8章 農業がもたらした光と影」では、農業のおかげで食料の生産量は飛躍的に増え、より多くの人間が生き延びていけるようになった一方で、疫病を引き起こし、男女間や社会的階級に不平等を生み、強権的な支配層による専制をいう害悪をもたらしたという。

『銃・病原菌・鉄』、『文明崩壊』の読者にとっては重複する内容が多いが、人類の起源についての考察は非常に興味深い。

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