内面からの報告書 の感想

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参照データ

タイトル内面からの報告書
発売日販売日未定
製作者ポール オースター
販売元新潮社
JANコード9784105217198
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » イギリス・アメリカ

購入者の感想

本の内カバーに載っている眼光鋭いポール・オースターの顔写真。いつ見ても50代にしか見えないのに、気づけば彼も70歳。

フィジカルな記憶をたどった『冬の日誌』と、メンタルな記憶をつづった『内面からの報告書』のどちらも読みました。読み応えという点では彼の小説には劣るけど、それでもページをめくる手が止まらないです。「ところでこの話はしたっけ?」なんていうノリで、まるで電話で直接話を聞いているような気分になります。

相変わらず語りが巧み。中盤で、衝撃を受けた映画の話(『縮みゆく人間』)を語り出すのだけど、引き込まれすぎて一瞬何の本を読んでいるのか分からなくなりました。他人が作った映画の粗筋を語っているだけなのに、映像の描写力がすごい。

そして最終章の長い手紙。これがまたダラダラとした内容なんだけど、なぜかすごく印象に残って、読了後も何度かぼんやり思い出してた。自堕落な冒険物語からほとばしる活気! 若者らしい不安を抱えていたにもかかわらず、幸福な精神状態だったこと。ああ、こういう描写がポール・オースターのすごく好きなところ。

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