羆(ひぐま) (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 羆(ひぐま) (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 吉村 昭 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101117195 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者 |
購入者の感想
動物にまつわる5つの作品を収録した短編集。いずれもストーリー性が強く、思いがけない展開・結末も用意されている。読み終えて、もの悲しさ・切なさといった感情が湧いてくる作品群だ。
作品に登場する動物が与えるインパクトも大きい。愛する妻を喰い殺した羆、観賞用に飼育される蘭鋳、戦うために鍛えられる軍鶏・・。小説の主人公は人間であり、男と女ではあるのだが、彼らの生活の中にある動物たちが、時には彼らを支配するかのようにも見えるのである。
ストーリーの面白さに、吉村昭の卓越した描写力によって描かれた動物達の姿が加わることで、非常に読み応えのある作品になっている。吉村昭の「動物もの短編」の中で、本書は『魚影の群れ』と双璧をなす、というのが私の評価である。
作品に登場する動物が与えるインパクトも大きい。愛する妻を喰い殺した羆、観賞用に飼育される蘭鋳、戦うために鍛えられる軍鶏・・。小説の主人公は人間であり、男と女ではあるのだが、彼らの生活の中にある動物たちが、時には彼らを支配するかのようにも見えるのである。
ストーリーの面白さに、吉村昭の卓越した描写力によって描かれた動物達の姿が加わることで、非常に読み応えのある作品になっている。吉村昭の「動物もの短編」の中で、本書は『魚影の群れ』と双璧をなす、というのが私の評価である。