日輪の賦 (幻冬舎時代小説文庫) の感想

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タイトル日輪の賦 (幻冬舎時代小説文庫)
発売日2016-06-10
製作者澤田 瞳子
販売元幻冬舎
JANコード9784344424906
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説

購入者の感想

7世紀末、藤原京で唐と新羅の脅威にさらされていた讃良大王(さららのおおきみ、持統)は、亡き夫・大海人大王(天武天皇)の志を継いで強力な中央集権体制を目指す。そのために国の仕組みを根本的に変革する律令の編纂に着手する。皆さんも、日本史で習われたように、古代中央集権国家の基本法典は『律』と『令』で、太上天皇だった持統が701年に完成させた『大宝律令』がよく知られている。
本書は、この大宝律令が編纂されていく過程を廟堂内の権力争奪と重ね合わせながら記述した歴史長編小説である。主人公は、壬申の乱後の政情不安な都に、大舎人(おおとねり、下級職員)として出仕することになった阿古志連廣手(あこしのむらじひろて)である。律令編纂の部署への移動で、讃良(持統)の改革に反対する有力豪族たちの襲撃に遭遇する。律令の編纂が政争の具として使われ、壮絶なる戦いを巻き起こしてゆくさまの描写は詳細である。が、今1人の主人公は、幾多の哀しみを乗り越えて日本という国号の誕生と律令の完成を見届けて逝く讃良大王(持統天皇)である。讃良の腹心である、魅力的な男装の女官・忍裳(おしも)とともに。彼女ら女人が自らの性を棄ててまで挑まざるを得なかった戦のさまに深い陰影を感じざるを得なかった。
小説ながら、女性は凄い!と感ずる読書の日々であった。
面白く読みました。

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幻冬舎から発売された澤田 瞳子の日輪の賦 (幻冬舎時代小説文庫)(JAN:9784344424906)の感想と評価
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