学校を災害が襲うとき: 教師たちの3.11 の感想

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タイトル学校を災害が襲うとき: 教師たちの3.11
発売日販売日未定
製作者田端 健人
販売元春秋社
JANコード9784393333198
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

著者は宮城教育大学で学校教育をフィールドとした質的な研究に取り組む一方、
学部での教員養成や現職教員向けの講習や実践現場と協同した授業研究に携わっ
ており、聞き取り調査「教師たちの3・11−東日本大震災・学校現場の記憶」
2011年7月〜2012年1月のまとめをもとに、教育関係者や一般の方向けに書き下
ろしたものである。
 ここでは最終章である5章「過去と未来の間で」の一部を要約して取り上げた
い。今後検討されている「防災主任」の責任について、『本来なら行政が仕切る
べきであるものが果たせず、教職員の専門的力量と日頃から築き上げてきた地域
連携の面が大きな役割を果たした。しかし責任には限界がある。責任問題には社
会的な議論とコンセンサス、法律や制度の整備が不十分である。「精神論や気力」
で解決できるような問題にすり替えて業務を押し付けるべきではない。』とある。
教師の役割が大きかっただけに「防災主任」の責任問題について真剣に議論すべ
きであるという提案には説得力がある。
 「震災の記憶とか教訓」をどのように残していくかということについては、著
者は「忘却の形」として「人間の側に生じる忘却」の他に、「外側に生じる忘却」
=「自然は隠れることを好む(ハイデガー)」を挙げている。植物が発芽し開花
し実を結び、再び地中の根へと帰って行くように、自然はその猛威を激しく現出
したあとがれきを残したあとに過ぎ去り、間もなくして片づけられると、記憶の
中から消えてしまう。だから忘却はごく自然なのである、としている。震災の教
訓を風化させないためには我々はどうすればいいのだろうか? 著者の結論(考
察)は震災に「思いを寄せること(ヒンデンケン)」であるという。
 防災教育活動(具体的には地域防災マップ)を作成してまちづくりを運営して
いる方々、教職員、行政にお勧めである。是非繰り返し深読みしてもらいたい一
冊である。

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