響け! ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌 (宝島社文庫) の感想

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参照データ

タイトル響け! ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌 (宝島社文庫)
発売日2016-10-06
販売元宝島社
JANコード9784800262264
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ロマンス

購入者の感想

釣り書きによれば本書は「公式ガイドブック」だそうだが,全体で280ページあまりのうち,180ページくらいをオリジナル短編2編が占める。しかも両者とも佳作で,ファンは読み逃すことができない。

★以下,1はかなりネタバレを含みます。それ以外は大丈夫だと思います。

1.
「星彩セレナーデ」はシリーズ本編に劣らない佳作。
著者の武田綾乃さんの力量は,青春の断面をもの凄い新鮮さで切り取ってくるところに現れていると思う。
「なに,もしかして聞いていたら我慢できひんくなった?」
という梓の麗奈に対するセリフはどのようなニュアンスで言われたのだろうか。あっけらかんと素直に,演奏の好きな麗奈は我慢できなくなったんでしょう?と言ったのだろうか。それとももっと挑発的に,どう?私と対抗したくなったんじゃない?という感じだったのだろうか。とにかく,お互いの魂の熱さを競うような,麗奈と梓の河原での突然の競演はひたむきさと緊迫感に満ちた名シーン。それと同時に,二人の迫力に圧倒されて逃げるように帰る久美子の姿も間違いなく青春だと思った。

2.
「冬色ラプソディー」は,定期演奏会係のみぞれと,それをサポートする事になった久美子の演奏会準備の仕事を中心としたお話。口下手だが仕事の中身をきっちりとやるみぞれと,渉外の上手い久美子はなかなかいいコンビ。
前半で吹奏楽の定番らしい曲が雨あられと出てくるが,吹奏楽をサッパリ知らない私は少々閉口。
ラプソディのタイトル通りに,マンガみたいな場面の連続で終わるかと思ったが,きちんとドラマも仕込んであった。小粒なドラマだが心を打たれる。

3.
「武田彩乃1万字インタビュー」は懸念された自作解説はほとんどない。むしろ,著者の人となりを知るための貴重な資料といえる。一読したところでは,文学少女というよりも,人との関係を大事にし,リーダーシップも取れる女性という印象。キャラをどう配置して,どこで何をさせれば一番効果的か?を計算し抜いている感じ。あすかに似ているかも。

4.

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