この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) の感想
参照データ
タイトル | この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | こうの 史代 |
販売元 | 双葉社 |
JANコード | 9784575941463 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
アニメーション作家、片渕須直さんが本作を映画化した作品を観ました。とてもすばらしかったのですが、登場人物や小道具、なじみのない慣習や言葉など情報量が多く、一回ですべて理解できませんでした。そのためもう一度鑑賞する前に原作を読んでみたくなり、本作を手にとってみました。評者はこうの史代さんの作品を読むのははじめてで、全3巻とおしての感想です。
作中では、昭和19年(1944)に広島市から呉市へと嫁いだ18歳のす女性すずの姿をとおして、戦時下にあった市井の人々の暮らしが描かれます。上巻では物語の前日譚(「冬の記憶」「大潮の頃」「波のうさぎ」)である、すずの幼少時のエピソードが収録されています。また漫画全体は緻密な考証にもとづいており、ところどころ欄外に註釈が書き込まれていたり、遊び心あふれる図解が挿入されているため、作中の世界観をより詳しく知ることができました。
以下は収録内容。
・上巻……「冬の記憶」(昭和9年1月)、「大潮の頃」(昭和10年8月)、「波のうさぎ」(昭和13年2月)、「この世界の片隅で」第1~11回(昭和18年12月~19年7月)
・中巻……「この世界の片隅で」第12~28回(昭和19年7月~20年4月)
・下巻……「この世界の片隅で」第29~45回(昭和年20月4月~21年1月)
作中では、すずをはじめとする当時の人々が貧しいなかでどれだけ知恵をしぼって日々の生活をより良くしようと努めていたかが、ほがらかで生き生きとした筆致により描かれます。それは、戦時下の暮らしに対する現在のわたしたちが抱きやすいネガティブな印象とは異なります。作者はつねにユーモアを忘れず、「この世界の片隅に」生きる人たちのたくましい暮らしぶりを甦らせています。わたしたちと同じように些細なことで笑いあう登場人物たちの姿を見ていると、読んでいるこちらの顔までほころんでしまいました。
作中では、昭和19年(1944)に広島市から呉市へと嫁いだ18歳のす女性すずの姿をとおして、戦時下にあった市井の人々の暮らしが描かれます。上巻では物語の前日譚(「冬の記憶」「大潮の頃」「波のうさぎ」)である、すずの幼少時のエピソードが収録されています。また漫画全体は緻密な考証にもとづいており、ところどころ欄外に註釈が書き込まれていたり、遊び心あふれる図解が挿入されているため、作中の世界観をより詳しく知ることができました。
以下は収録内容。
・上巻……「冬の記憶」(昭和9年1月)、「大潮の頃」(昭和10年8月)、「波のうさぎ」(昭和13年2月)、「この世界の片隅で」第1~11回(昭和18年12月~19年7月)
・中巻……「この世界の片隅で」第12~28回(昭和19年7月~20年4月)
・下巻……「この世界の片隅で」第29~45回(昭和年20月4月~21年1月)
作中では、すずをはじめとする当時の人々が貧しいなかでどれだけ知恵をしぼって日々の生活をより良くしようと努めていたかが、ほがらかで生き生きとした筆致により描かれます。それは、戦時下の暮らしに対する現在のわたしたちが抱きやすいネガティブな印象とは異なります。作者はつねにユーモアを忘れず、「この世界の片隅に」生きる人たちのたくましい暮らしぶりを甦らせています。わたしたちと同じように些細なことで笑いあう登場人物たちの姿を見ていると、読んでいるこちらの顔までほころんでしまいました。