バガボンド(37) (モーニング KC) の感想

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参照データ

タイトルバガボンド(37) (モーニング KC)
発売日2014-07-23
製作者井上 雄彦
販売元講談社
JANコード9784063883404
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

石舟斎がなろうとしていたもの
天下無双よりも、もっともっと大きな何か…それはなんだったのか?

武蔵が問い続けた、剣とは何か、強いとは何か…その答えが巻を進める度に明確になっていきます。

小次郎と対峙した時、武蔵はどちらが斬られていたかは明らかだったと言いましたがそれは自分のことだったのでしょう。
武蔵は小次郎の中にただ剣を振ることが楽しかった過去の自分、おっさん穴の自分を見つけることが出来ました。それは一つの真理でした。

しかし、武蔵はまだわからない。
強さとは何か?
剣とは何か?

修羅の世界に生き、命を奪うことしか考えてこなかった、強い者だけと対峙し、その者を斬ることで自分が強いことを証明してきた。
命に価値などなく、勝った俺が正しい。

武蔵は以前、自分に対して命に価値などないと言いました。
辻風こうへいもまた、同じように命に価値はなく俺たちはただ死んでいくだけの存在だと言いました。

なぜなら、そう生まれてきたから、
それが、武士だから、鬼の子だから、
死神だから、天下無双だから

しかし、武蔵は自問自答する度に、その殺し合いの螺旋に対して膨らむ矛盾に苦しみます。

これまでの生き方に疑問を感じます。
本当に、俺は天下無双になりたいのだろうか、なってどうするのだろうか
最後はつまらぬ者に斬られて死ぬ
それが俺のやりたいことなのだろうか

そんな中武蔵は飢饉の村に出会います。
それは、これまで出会ってきた強者達ではなく、斬るまでもなく死んでいく圧倒的な弱者達でした。
伊織をはじめとする村の人々は、剣とは無縁の普通の人々でした。
武蔵は、彼らとの生活で変わり始めます。
そして、人の命を、稲の命を、自らの命を賭して繋げようとします。
これまで、武蔵が生きてきた道とはまるで逆の道。
そして、沢庵が言っていたように命とはただそれだけで自由であり無限であり完璧なものだということを感じ始めます。

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