あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫) の感想
参照データ
タイトル | あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫) |
発売日 | 2017-08-09 |
製作者 | 高田郁 |
販売元 | 角川春樹事務所 |
JANコード | 9784758441100 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
「みをつくし料理帖」始め、高田さんの作品はほぼ全て読んでいます。
今シリーズも始まりから楽しんで拝読しているのですが、なんでしょうか、ちょっとモヤモヤする部分があるのは。
みをつくしの時は、つる屋をとりまく人達に様々なキャラクターがいました。そのいわゆる「普通の」人達がつる屋の料理と澪の成長を彩っていたように思います。
しかしこのシリーズはほとんど呉服屋近辺、もっというなら五鈴屋しか出てこない。しかも、幸があまりにも出来すぎる(そして都合がいいことばかり起きる)のでお腹いっぱいになってしまいます。
幸のやることはいつも正しく、困難があっても幸が頭をひねれば道が啓けてそのことごとくが成功します。これまでの五鈴屋の困難は全て幸、というより旦那さんが招いたことで、幸自身は自分が考えやってきたことで失敗することがない、というところも引っかかります。
高田さんの作品、大好きです。このシリーズもきっと買い続けて読むと思います。
でも、心の根の素晴らしい正直な人が、やることなすことうまくいきながら(しかも自分で美人ということを知っている)世の中を渡り歩く、というお話を澄んだ心で楽しめないという自分の度量の狭さに気付く本だなぁ、とも思うのです。
今シリーズも始まりから楽しんで拝読しているのですが、なんでしょうか、ちょっとモヤモヤする部分があるのは。
みをつくしの時は、つる屋をとりまく人達に様々なキャラクターがいました。そのいわゆる「普通の」人達がつる屋の料理と澪の成長を彩っていたように思います。
しかしこのシリーズはほとんど呉服屋近辺、もっというなら五鈴屋しか出てこない。しかも、幸があまりにも出来すぎる(そして都合がいいことばかり起きる)のでお腹いっぱいになってしまいます。
幸のやることはいつも正しく、困難があっても幸が頭をひねれば道が啓けてそのことごとくが成功します。これまでの五鈴屋の困難は全て幸、というより旦那さんが招いたことで、幸自身は自分が考えやってきたことで失敗することがない、というところも引っかかります。
高田さんの作品、大好きです。このシリーズもきっと買い続けて読むと思います。
でも、心の根の素晴らしい正直な人が、やることなすことうまくいきながら(しかも自分で美人ということを知っている)世の中を渡り歩く、というお話を澄んだ心で楽しめないという自分の度量の狭さに気付く本だなぁ、とも思うのです。