怖い本 9 (角川春樹事務所　ハルキ・ホラー文庫) の感想

全37話です。8巻から3年ぶりに出た『怖い本』ですが、表紙を見たときはてっきり『怖い人』シリーズと統合になったのかと思いました。
表紙から人間の怖い話かと思われがちですが、中身は怪談ですのでご安心を。
平山氏による怪談の単著としては相当久しぶりなので嬉しい限りです。7巻がおもしろかっただけに8巻でのパワーダウンが少し残念だったのですが、しばらくの間充電しただけあり、なかなか良い話がちらほら見受けられます。
この調子で20巻ぐらいまで続けてほしいところです。

個人的にオススメは、

通夜の番
蛇
闇滑り
野営
遅刻
いけない池
閉店のおしらせ
手つなぎ
予知
回覧板
迷惑

です。
1話だけネットで見たことのあるパターンの話があったのがちょっと残念でした。
ただ、〈闇滑り〉〈野営〉〈遅刻〉〈予知〉〈回覧板〉がとても良いです。
特に〈闇滑り〉の、取材対象となった方自身にはおぞましい現象は降りかかってはいないのですが、徐々に「何が起こっていたのか」がおぼろげながら明らかになっていく展開がすばらしいです。