AIの遺電子　３ (少年チャンピオン・コミックス) の感想

今（今に限るが）、職場での「ＡＩは人間のように成長することができるのか」の
結論は「出来ない」だと私は思っています。

なぜなら、家庭で育てられる環境がないから。

モラルや「的確な」判断力（たとえば経験や信頼できる人の教えに依存）がないＡＩは、
所詮は指示に従い、あらかじめインプットされた状況の場合分けに応じて対応する
賢さを持つに過ぎません。

ゲーム盤上の判断であればそれでも十分ですが、
様々な付加要素を加えた上での、
生活上、業務上の自己の判断や、さらにはモラル的判断も難しい。
経験に応じた判断も正しいとは限らない。
（まあこの点は人間も同じですが）

昨年ネットで公開したＡＩは
無差別な情報（インプット）を加えられ、正常な判断（アウトプット）が出来ない
（たとえば極端な人種差別的発言をしてしまうなど）
という状況に陥っている。

つまり情報処理能力だけでなく、
情報の取捨選択判断能力やウエイト付けの能力も必要なので。

その点をも、日々の進捗の中で育てていかなければいけないし、
そうでなければ、あらかじめバイアスがかかっている状態で始めなければならない。

そういう深い示唆を提示してくれる作品ではありますが、
もちろん軽い気持ちで読んでも、全然ＯＫ。

読みやすく、わかりやすく、面白く、そして深い。
まずは読んでみることをお勧めします。