すごいぞ! 私鉄王国・関西 の感想

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参照データ

タイトルすごいぞ! 私鉄王国・関西
発売日販売日未定
製作者黒田一樹
販売元140B
JANコード9784903993256
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 交通

購入者の感想

石川啄木という粋人がいた。
彼は鉄道を楽しむことができる粋人で
『何事も思ふことなく 日一日 汽車のひびきに心まかせぬ』
などという、粋な詩を残していたりする
そんな啄木は、上野駅くんだりに出かけてこんな詩を詠んでいる
『ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく』
教科書にも載っている有名な詩なので、知っているかたも多いと思われるが、この詩を知ったとき、以下のように思った人はどのくらいいるだろうか

「電車乗れよ!」

おそらく誰も突っ込まなかったと思う。それはつまりあなたが、「上野駅に故郷のなまりを聴きに行き思いをはせる行為は鉄道の正しい使いかたである」と認識したからであろう。少なくとも学校の授業では「なぜ啄木は駅まで行って電車に乗らなかったのか」が議題になったことはないはずだ。
ならば阪急梅田駅に行き
「お待たせしました。1号線 特急 京都河原町行き ただいま発車します」
を聴いて阪急電車を堪能するのもまた、鉄道の正しい使い方なのだ。そしてかつての3列車同時発車の前奏曲となるブザの和音に思いをはせつつ
「個人的にはやはり『ただいま発車です』」のほうが好きだったな、なんて思えばなおいいだろう。
このように鉄道とは「どこかへ出かけるための交通機関とは限らない」、というのを、認識しておきたい。

本書はこういった、関西民鉄の楽しみかたを延々と243ページに渡って語り続けている。その姿勢は常にアクティブではあるがでしゃばらない。それぞれの鉄道が持つ癖や作法をありのままに受け入れ、楽しむ。すれっからしのマニアが知ったような顔で自説の開陳をするような鼻につくいやらしさはおくびにも出さず、ただただその鉄道を味わうのだ。
 たとえば比類なきインターバン阪神電車の項では「阪神電車は、速い」とぶち上げている。鉄道マニアであれば阪神電車の最高速度は赤胴106km/h、青胴91km/hで、JR西日本の130km/hどころか阪急の115km/hにも及ばないことは知っている。もちろん筆者だって知っている。

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