「組織が結果を出す」非常識でシンプルなしくみ の感想

「『組織が結果を出す』非常識でシンプルな仕組み」（以下『非常識』）は、コグニティブ・コーポレート・コーチングを学ぶことの出来る書籍です。

私はこの書籍を読んで抱いた感想は、この本はビジネスパーソンにとって実に「使える」ということです。

ビジネス書を読んでも、実際の仕事の中で使えないままで終わってしまうという経験をされた方は多いのではないでしょうか。読んだ時はそれなりに感激し、仕事の中で使ってみようと思うものの、実際には長続きせず、うまくいかないというケースです。これにはいくつかの理由が考えられれますが、最も大きな理由はそのビジネス書の知識が使える形で提供されていないということだと思います。本質的で良いことを述べているのだけど、実際に仕事を行う中で上手に使えるような形で提供されていないということです。もちろん、センスの良い人であれば、自分なりに書籍の知識を工夫して仕事の中で使っていくことは可能でしょう。しかし、多くのビジネスパーソンにとってはそこまでの余裕がないというのが正直なところでしょう。

どのようにこの問題をクリアするかに対して、『非常識』は「物語を通してコグニティブ・コーポレート・コーチングの理論を学ぶ」という答えを出しました。なぜ物語を通して学ぶことが有効かと言えば、物語は私達の現実にとても近い、リアリティのある部分を描くからです。物語の中では、コグニティブ・コーポレート・コーチングの現実に即した使い方が実に生き生きと描かれます。それゆえ、読者である私たちは、容易に自分の立場へと置き換えるイメージをしながら、理論をインストールしていくことが可能になります。この点がビジネスパーソンにとって実に使いやすいと感じられる点なのではないでしょうか。

また、物語を採用することで、強く私達の「感情」に訴えかけることにも成功しています。無味乾燥に「理論」をお勉強として学ぶだけでは記憶にも残りにくいですし、「よし、明日から使ってみよう」という気分にはなかなかならないでしょう。感情にまで届く物語の形で理論を学ぶからこそ、ビジネスパーソンが自分の仕事の中で前向きに使ってみようという気分にもなるというものでしょう。