退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング の感想

※2017/7/12
編集部の方から解答の掲載について返信をいただけました。
その内容に伴い、☆をひとつ追加修正しました。
※2017/8時点、購入者特典として解答例が追加されました。

print関数を多用したり、「こうすればこうなる」という過程と結果が簡易な例と一緒に掲載されており、馴染みの浅い読者にもわかりやすいと思います。

同じオライリーの入門Python3と比べて気になったのは下記です。

■初心者から見て、技術的に不要な記述が削られている
パッと思いついたところでクロージャが載ってません。
初心者（≒初歩的なプログラム）ではそもそもグローバル変数を抑える必要もないでしょうし、正解だと思います。（ただしスコープの説明で、グローバル変数から起こりうるバグについては触れています）。入門python3と比べて概念的な説明も少なく、断りのない専門的な用語も無いので全般的に読みやすいです。

■小規模プログラムで使いみちのありそうなモジュールの使用例がある
例えばpyperclipモジュールがそうです。
クリップボードとテキストのやり取りはある程度使いでがありそうですが、これは入門Python3には載ってません。
本書の後半はこうした使用例がメインなので、目次を見て興味を惹かれるのであれば、購入して問題ないと思われます。

※演習プロジェクトの解答について
書籍内で見つけた誤植の報告と合わせて、解答の掲載についてうかがったところ、編集部の方から返答をいただけました。どうやら同様の問い合わせがあったそうで、現在訳者の方に回答例を依頼しており、日本語版の読者向けに公開されるとのことです。（公開済です）
以上、個人的に感じた唯一の不満点が解消されたため、☆4から☆5に修正しました。